【管理部門を目指せ】人事労務に向いている人の特徴10選

Characteristics-suitable-for-human-resources-and-labor-management 労務とは

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企業の管理部門で働く方やこれから人事労務を目指す方は、こんな悩みはありませんか?

✔ 自分が労務に向いているのか不安
✔ 労務担当に必要な素養が分からない
✔ 労務部門の立ち位置がつかめない

そこで本記事は人事労務に向いている人を解説。記事を読むメリットは以下のとおりです。

〇 労務に向いているか判別できる
〇 労務に求められる素養がわかる
〇 労務部門のスタンスがつかめる

具体的には筆者の実務経験をもとに、人事労務に向いている人の特徴10選をピックアップ!

筆者の経歴と業務経験

・社会保険労務士有資格者
・人事労務経験10年以上
・大手製造業で社全体の労務管理を担当
・労働局や労基署との折衝を数多く経験
・従業員代表協議や労務トラブルに対応

企業の管理部門で働く方やこれから人事労務を目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。

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人事労務に向いている特徴

本記事で取り上げる、人事労務に向いている人の特徴は以下の10個です。

・細かい作業が得意な人
・コミュニケーション能力が高い人
・口の堅い人
・労働法関連の知見がある人
・期限を守れる人
・臨機応変に対応できる人
・企画提案スキルに優れた人
・教育研修の業務経験がある人
・安全衛生の意識が高い人
・経営的な視点をもつ人

いずれも筆者の実務経験をもとに人事労務に適した素養を挙げました。以下、順番に解説します。

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細かい作業が得意な人

人事労務に向いている人の特徴1つ目は、「細かい作業が得意な人」です。細かな作業が得意な人が向いている理由は以下のとおり。

✔ 事務的な作業が多い
✔ 取り扱う書類が多岐に渡る
✔ 間違いが許されない

人事労務の仕事は細かな作業を伴うものが大半を占めます。

細かな作業を伴う業務例

・就業規則や労使協定の管理
・雇用契約書の作成
・給与計算や社保手続き
・助成金や年末調整の対応…etc.

人事労務は、会社の就業規則や労使協定を管理する役割を担っています。制度の見直しで内容を変更する際は、誤字脱字や数字の誤りがないか入念に校正。厳しいチェックを経て運用に至ります。

雇用契約書の作成も人事労務の役割。契約内容に間違いがないか、契約期間や給与額だけでなく、福利厚生面まで含めて内容を細かく確認した上で発行します。

さわ
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給与計算や社会保険の各種手続きも人事労務の守備範囲。

ほかにも助成金の申請や年末調整の取りまとめ、数多くの書類を取り扱います。公的機関に提出する書類も多く、間違いが許されないため、内容に不備がないか細かなチェックが欠かせません。

以上の理由から、細かい作業が得意な人が人事労務に向いています。

コミュニケーション能力が高い人

人事労務に向いている人の特徴2つ目は「コミュニケーション能力が高い人」です。理由は以下のとおり。

✔ 従業員との接点が多い
✔ 質問や相談等を受ける場面が多い

人事労務は他部署と比べて、従業員と接する機会の多い部門です。

人事労務が従業員と接する場面

・従業員の社内手続き
・勤怠や給与計算に関する連絡
・社内の情報展開や教育研修…etc.

人事労務は、従業員の応対が多い部署です。内容はさまざまですが、ライフイベント(従業員の引っ越し・結婚・出産など)に伴う社内手続きが大半を占めます。

社内規程に基づく措置(家賃手当の変更、休暇付与、祝金進呈など)を講じるため、手続きの一環として人事労務から従業員へ連絡を取るケースもあります。

さわ
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給与のミスや社会保険の手続き漏れが発生した際は説明や謝罪する場合も…

ほかにも勤怠の不備が疑われる場合は、管理職を通じて従業員本人へ聞き取りや是正指導を実施。社内で連絡事項を展開した際に従業員から問合せを受けたり、教育研修を実施したりと従業員と接する機会の多い部署です。

以上の理由から、コミュニケーション能力の高い人が人事労務に向いています。

口の堅い人

口の堅い人」も人事労務に向いています。理由は以下のとおり。

✔ 個人情報や機密情報を多く取り扱う
✔ 人事評価や辞令、異動を知り得る立場

人事労務は、従業員の個人情報や会社の機密情報など、公に出来ない情報を取り扱っています。

人事労務務が扱う秘匿性の高い情報

・従業員の生年月日、住所、連絡先
・従業員の既往歴や家族情報
・労務トラブルで係争中の内容
・人事評価の結果やボーナスの金額
・異動、昇降格などの辞令や賞罰…etc.

たとえば従業員が入社時に提出する個人情報は、人事労務が中心となって管理しています。

引っ越しや結婚、出産などのライフイベントが発生した場合は、本人からの申告を元に人事情報を最新化。退職までの間、個人情報全般を管理する役割を担っています。

さわ
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会社と従業員、あるいは従業員同士のトラブル仲裁も人事労務の役目。

係争中の事案については、周囲に情報を伏せたまま社内で事実確認や調査に動くこともあります。

他にも、従業員の人事評価、異動、賞罰等の情報を知り得る立場にいるのが人事労務。時がくれば開示するもの、部分的な提示に留めるものなど、情報の性質によって対応が異なるので慎重な取り扱いが求められます。

そのため口の堅い人が人事労務に向いています。

労働法の知見がある人

人事労務に向いている人の特徴4つ目は労働法の知見がある人」です。人事労務に労働法の知見が求められる理由は以下のとおり。

✔ 労働法に基づいた業務が大半を占める
✔ 法改正情報を常に把握する必要がある
✔ 労基署や年金事務所とやりとりする

人事労務は、就業規則や勤怠管理、給与計算など、法律に基づいた業務を多く抱える部門です。

各業務に関わりの深い法律

就業規則:労働法全般
勤怠管理:労働基準法
安全衛生:労働安全衛生法
給与計算:労基法、社会保険各法
年末調整:税法…etc.

たとえば、就業規則や労使協定の作成にあたっては労働法全般の知識が必須。従業員の勤怠管理では労働基準法、職場の安全衛生管理は労働安全衛生法と、それぞれ専門的な知識が求められます。

さわ
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給与計算では、賃金や保険料などの算出根拠を理解しなければなりません。

労働法の中には頻繁に改正される法律もあるので、最新の情報を常に把握しておく必要もあります。法に基づく手続き(労災申請、離職票作成、社会保険の加入脱退)で、労働基準監督署やハローワーク、年金事務所との対応も日常茶飯事。

これらの理由から、労働法の知見がある人が人事労務に向いています。

期限を守れる人

人事労務に向いている人の特徴で欠かせないのが「期限を守れる人」。理由は以下のとおりです。

✔ 法律で期限が定まった業務が多い
✔ 会社の信用問題に発展するリスク有り

人事労務は労使協定の届出や社会保険の手続き、健康診断の実施など、法律で期限が定められている業務を多く抱えています。

法律で期限が定められている業務

・36協定の届出
・社会保険の手続き…etc.

たとえば、従業員に時間外労働を行わせるのに必須の36協定の届出期限は、36協定書に記載した「起算日の前日」。1日でも提出が遅れると、遅れた日分の時間外労働や休日労働はすべて労働基準法違反となってしまいます。

さわ
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手続き頻度が多い労働保険や社会保険も要注意!

雇用保険は雇用した日の属する月の翌月10日」、健康保険や厚生年金保険は雇用開始から5日以内」が加入手続きの期限となっています。

ほかにも雇用契約の更新漏れが違法な労働につながったり、給与計算ミスが支払いの遅延につながったりと、期限を守らないと従業員に迷惑がかかってしまいます。

そういった状況が続くと会社の信用問題に発展するリスクがあるため、人事労務は期限を遵守しなければなりません。そのため期限を守れる人が人事労務に向いています。

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臨機応変に対応できる人

「臨機応変に対応できる人」も人事労務に向いている人材です。理由は以下のとおり。

✔ 突発対応が多い
✔ 優先順位をつけた対応が求められる

人事労務は従業員の急な退職、社内トラブル、労働基準監督署の査察への対応など、突発的な仕事が多い部門です。

人事労務における突発対応の事例

・従業員の急な休職や退職
・社内における従業員トラブル
・労働局や労基署の問合せや査察受入
・従業員の安否確認…etc.

職場で急な休職や退職が発生した場合、まず対応するのが人事労務。休職や退職に伴う手続きだけでなく、場合によっては人員の補充(異動や採用)を行うケースもあります。

さわ
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社内で従業員同士がトラブルを起こした際、仲裁に入るケースもあります。

ほかにも賃金の未払いや過重労働などの疑いで、労働基準監督署から聞き取りや査察が入った際の対応も人事労務の範疇。無断欠勤や災害時の安否確認にも対応しなければなりません。

いずれも突発的に発生しうるため、事前の予測が困難な業務。その一方、プロパー業務を疎かに出来ないため、優先順位をつけながら柔軟な対応が求められます。

以上の理由から、臨機応変に対応できる人が人事労務に向いています。

企画・提案スキルに優れた人

人事労務に向いている人の特徴7つ目は「企画・提案スキルに優れた人」です。理由は以下のとおり。

✔ 制度変更等の企画を多く手掛ける
✔ 企画内容をプレゼンする機会が多い
✔ 経営層を納得させる必要がある

人事労務は就業規則をはじめ、人事制度の企画や変更を行うなど企画・提案スキルが求められる部門です。

企画や提案が求められる事例

・過重労働への対策
・テレワークやワ―ケーションの導入
・給与明細などのオンライン化…etc.

たとえば、政府が主導した働き方改革では、時間外労働の絶対的な上限が法律に規定されました。それに伴って従来の働き方を見直すことになり、多くの企業では人事労務が中心となって新しい働き方を考案しています。

さわ
さわ

新型コロナの感染拡大では、テレワークが急速に普及!

場所に捉われない働き方が生まれたことで、勤怠管理の見直しも求められました。「在宅勤務」が前提になったことで、タイムカードや給与明細のオンライン化も加速。

採用面接や雇用契約書の取り交わしもオンラインで完結させるなど、急速なビジネス環境の変化に対応することとななりました。それらの制度作りや運用に奔走したのも人事労務部門です。

以上の理由から、企画・提案スキルに優れた人が労務に向いています。

教育研修の経験がある人

人事労務に向いている人の特徴8つ目は「教育研修の経験がある人」です。講師として、何らかの教育研修の経験がある人が、人事労務に向く理由は以下のとおり。

✔ 教育研修を主催する立場にある
✔ 大勢の前で話をする機会が多い
✔ 講師として登壇する場面がある

人事労務は企業の入社時教育や階層別研修など、従業員の教育研修に携わる機会が多い部門です。

人事労務が手掛ける教育研修の事例

・新入社員への入社時教育
・昇進や昇格に伴う階層別研修
・人事制度の変更に伴う説明会…etc.

たとえば、新入社員に対して行う基礎教育(会社の歴史をはじめ、ビジネスマナーや勤怠管理など)は人事労務が行います。

さわ
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昇進・昇格者向けの階層別教育や管理職者研修なども実施。

ほかにも、人事制度や賃金体系を変更した際に実施する説明会を主催するなど、従業員の前で話をする機会が多いのが特徴です。

以上の理由から、教育研修の経験がある人は人事労務に向いています。

安全衛生の意識が高い人

安全衛生の意識が高い人」も人事労務の仕事に向いています。理由は以下のとおり。

✔ 社内で安全衛生の啓蒙を行う立場
✔ 職場環境の点検や改善を担当する
✔ 労災が起きた後の再発防止に携わる

人事労務は、社内における安全衛生管理体制を構築する上で中心的な役割を担う部門です。

人事労務による安全衛生管理の事例

・社内へ労災情報の共有や注意喚起
・職場環境の定期的な見回りや指導
・労災後の再発防止策の取りまとめ…etc.

たとえば、職場で労災が起きた場合やインフルエンザの罹患者が急増した場合などは、人事労務が情報を取りまとめて全社へ情報展開を行います。

さわ
さわ

安全管理者等と連携して、定期的な職場巡視や危険箇所の改善指導も実施。

労災事故が起きてしまった場合には、現地調査を行って再発防止策を取りまとめるのも人事労務の仕事です。

以上の理由から、安全衛生の意識が高い人が人事労務に向いています。

経営的な視点をもつ人

人事労務に向いている人の特徴10個目は「経営的な視点をもつ人です。理由は以下のとおり。

✔ 社全体を俯瞰する目が求められる
✔ 常にコストを意識する必要がある
✔ 経営層や従業員代表との接点が多い

人事労務は社全体を俯瞰し、コストを意識しながら業務に取り組むなど経営的な視点が求められる部門です。

経営的な視点が必要な業務例

・人事制度や賃金体系等の構築
・各施策のコストインパクト試算
・経営層や従業員代表との協議…etc.

たとえば、人事制度を変更する場合、全社的な運用に支障がないか、特定の部署や従業員に有利(あるいは不利)に働いたりしないか、俯瞰的な立場でチェックします。

最低賃金の上昇や人材獲得策として賃金体系を見直す際は、コストインパクトを試算して導入可否を検討するなど、経営的な判断も求められます。

さわ
さわ

時には、制度の方向性をめぐり経営層や従業員代表と協議することも。

いずれの場合も一部門としての意見ではなく、全体を俯瞰して会社としての利益につながるような判断をしなければなりません。

そのため経営的な視点をもつ人が、人事労務に向いています。

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まとめ

以上、人事労務に向いている人の特徴10選を解説しました。

さわ
さわ

担当領域や仕事内容に応じて、人事労務に求められる資質はさまざまです。

管理部門で働く方やこれから人事労務を目指す方は、現在の業務や今後のキャリア志向をふまえて最適なスキルアップを図りましょう。

別記事で、人事労務におすすめの資格16選を紹介しています。気になる方はこちらもどうぞ。

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