【社会人は秋入試を狙え】大学院の出願準備と注意点

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MBA取得や学び直しのため大学院進学を検討する方は、こんな悩みはありませんか?

・出願で何を用意したらよいかわからない
・出願する際の準備期間の目安が知りたい

準備が面倒で、出願に二の足を踏む方も多い大学院入試。でも出願に必要な書類のラインナップをおさえておけば、焦らなくても大丈夫です。

この記事では、大学院入試の出願に必要な書類をまとめて紹介します。特に注意が必要な書類は個別に解説。自身の大学院進学経験を元にした内容なので、大学院へ出願を検討する方はぜひ参考にしてみてください。

大学院の出願書類と準備期間

大学院入試への出願には色々な書類が必要です。自分で作成するものもあれば、出身大学や勤務先の企業から発行してもらう類もあります。社会人の大学院入試で必要な書類は以下のとおりです。

<自分で作成するもの
〇入学願書
〇履歴書
〇職務経歴書
〇研究計画書
〇志望理由書/エッセイ
<他者に発行してもらうもの>
〇大学の卒業証明書
〇大学の成績証明書
〇語学検定の成績
〇推薦書
〇企業の在籍証明書

まず自分で作成しなければならないのが入学願書。志望先の大学院から願書を取り寄せるか、ホームページからフォーマットをダウンロードするのが一般的です。氏名、生年月日、受験する入試の種類(一般入試、社会人入試、推薦入試など)といった基本情報を記入。大学院によっては履歴書を兼ねる場合もあります。

職務経歴書は大学院の指定フォーマットがある場合はそれに沿って作成しましょう。特に指定がなければ、任意様式でOKです。研究計画書は出願における最重要書類。のちに行われる口述試験にも関わるため、時間をかけて丁寧に作成することをおすすめします。志望理由書やエッセイについても同様です。

一方で他者に発行してもらわなければならない書類もあります。代表的なものは大学の卒業証明書と成績証明書。大学の事務窓口へ直接取りに行く場合と、郵送で取り寄せる場合の2パターンがあります。TOEFL®やTOEIC®といった語学検定の成績が必要な場合は、各団体から発行されたスコアシートを提出します。

そのほか受験する大学院や研究科によっては、勤務先の推薦状や会社の在籍証明書の提出を求められる場合もあります。大学院の募集要項で詳細を確認して、締切に間に合うよう余裕をもって手配しましょう。

さわ
さわ

参考まで、筆者が大学院の出願準備に要した期間はこちらです。

<出願準備に要した期間(筆者の場合)>
〇入学願書の作成…1週間
〇職務経歴書の作成…1週間
〇研究計画書の準備…4週間
 └研究テーマ選定:2週間
 └研究計画書執筆:2週間
準備に要した期間:計6週間

入学願書の作成には、大学の卒業証明書等の手配と受験料の振込を含みます。私の場合、卒業証明書と成績証明書は母校の事務窓口へ赴いて入手しました。職務経歴書は転職活動の際に作成したものを一部修正して代用。残りはすべて研究計画書の作成に費やし、出願準備に要した期間はおよそ6週間でした。

注意が必要な出願書類

研究計画書

大学院進学の場合、提出書類のなかでもっとも重要度が高いのが「研究計画書」です。研究に比重を置く大学院の場合、提出はほぼ必須。MBAなどの実務教育に比重をおく大学院では、研究計画書に変えて「志望理由書」や「エッセイ」を提出させるケースもあります。

研究計画書は、大学院で自分が研究したいことをまとめた書類で基本的な要素は以下の5つです。

<研究計画書の基本要素>
・研究テーマ
・問題意識
・研究目的
・研究方法
・参考文献

作成において文字数が制限される場合もあれば、特に制限を設けない大学院もあります。これまでのキャリアや志望理由、大学院修了後の計画について記述させる場合もあります。

ビジネス経験のある社会人の場合は、自分の業務経験をもとに問題意識を明確にし、なぜその課題を解決したいのか明確にしなければなりません。またどのような方法で研究するのか、研究の成果を今後のキャリアにどう活かしていくのか、ストーリー性を持たせることも重要です。

研究計画は入学後に担当教授の指導を受けながら修正していくものなので、研究の精度はそこまで神経質になる必要はありません。それよりも研究の目的や自分の考えを論理的に伝える力が求められます。

なお合格を狙う秘訣は「研究テーマを小さく絞る」です。背伸びをせず、在学中に達成可能な研究テーマや手法を示めるかがポイントになります。勤務先が抱える仕事上の問題を2~3個取り上げ、それを解決するため○○を研究するという建付けがおすすめ。日頃から「職場が抱える問題」と「その要因」を意識しておきましょう。

さわ
さわ

ちなみに私が研究計画書を作成した際は、以下の指南書を参考にしました。

<研究計画書作成で使用した指南書>
題名:大学院に合格できる!
   研究計画書 書き方実践講座
著者:工藤 美知尋 氏
発行:ダイヤモンド社

気になる方は以下のリンクからご確認ください。

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志望理由書・エッセイ

志望理由書は、自分のキャリアプランとからめて大学院の志望理由をまとめた書類です。エッセイも同様ですが、社会問題に関する問題意識を問う場合もあります。志望理由書に記述する主な内容は以下のとおり。

<志望理由書に記述する主な内容>
・これまでのキャリアと実績
・現在の業務内容
・仕事を通して培った強み
・当該分野を学びたい理由
・当該大学院を志望する理由
・修了後のキャリアプラン

志望理由書には上記項目を記述させるケースが多く、一続きの文章としてまとめるケースもあれば、項目別に記述させるケースもあります。文字数は800~1,500文字程度と大学院によってまちまち。冗長にならず、伝えたいことをシンプルにまとめるのがポイントです。

これまでのキャリアに関する職務経歴書と修了後のキャリアプランニングシートをそれぞれ提出させる場合もあります。そのため志望理由書の執筆では「業務の棚卸し」と「キャリアプランの設定」がキモ。研究計画と同様、自分のキャリアと志望動機を一連のストーリーにまとめましょう。

卒業証明書・成績証明書

大学の卒業証明書や成績証明書は、大学院出願時に必ず求められる必須書類。社会人の場合、大学時代の成績が大学院の合否に大きく影響することがないものの、面接の際に指摘されるケース※があります。どちらの書類も母校の事務窓口で入手するか、郵送で取り寄せる形になります。ただし大学によって即日発行できなかったり、郵送対応していなかったりする場合があるので注意しましょう。

複数の大学院を併願する際は、それぞれ卒業証明書と成績証明書を用意する必要があります(コピー提出不可のため)。そのため志望校が決まった段階で、早めに入手するのがおすすめです。

※面接での指摘は以下で詳しく解説しています。気になる方はこちらをどうぞ。

推薦書

社会人が受験する場合、職場の上長からの推薦書を求められるケースもあります。この推薦書は、客観的な人物評価や大学院進学の適正などを記述するもの。職場の上司に、いきなり「推薦書を書いてください」とお願いしても相手が戸惑うので、予め大学院の志望理由を伝えて進学の目的を理解してもらうことが大切です。

さわ
さわ

書き方が分からない上司も多いので、ネットで見本を入手して渡しておくとよいでしょう。

ちなみに推薦書には「自己推薦書」なるものもありますが、こちらは自分で執筆します。志望理由書の書き方をベースに、自分の強みを強調して記述しましょう。

おすすめの出願時期は秋

ここまで大学院入試の出願準備について解説しました。「準備するものは分かった。だけど、いつ出願するのが良いのだろう…」と思う方もいるでしょう。その答えは「秋入試」です。

さわ
さわ

理由は、秋入試で失敗しても春入試で再度挑戦できるから!

大学院入試の時期は、9~11月の秋入試と翌1月末~2月の春入試に分かれます※。入学時期はいずれも翌4月。春入試を狙って不合格となった場合、次に挑戦できるのは次年度の秋入試(9月以降)になってしまいます。入学時期は丸1年遅れる形となるため、多くの社会人は次の受験を諦めてしまいます

一方で、秋入試で不合格になっても、次の春入試までの期間は短くて2か月、長くても4~5か月で済みます。春入試で合格できれば、入学時期は秋入試の合格者と同じ4月です。不合格時のリスクヘッジに加え、モチベーションを維持しやすい点からも、まずは秋入試を目指すことをおすすめします。

※9月入学の制度がある大学院は夏も入試を行います。別の記事で入試時期の詳細を解説しているので気になる方はこちらもどうぞ。

まとめ

以上、大学院入試における出願書類と準備期間について解説しました。社会人が大学院へ出願する際は「秋入試」がおすすめ。万が一不合格になっても、春入試で再チャレンジできます。また出願書類の準備は意外と時間がかかるものです。入試時期から逆算して、余裕をもって書類を手配するようにしましょう。

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