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企業の管理部門で働く方や、これから人事労務を目指す方はこんな悩みはありませんか?
✔ 人事労務のキャリアプランは?
✔ 業務別のキャリアが知りたい
✔ キャリア形成のヒントが欲しい
そこで本記事は人事労務のキャリアについて解説。記事を読むメリットは以下のとおりです。
〇 人事労務のキャリアプランが分かる
〇 業務別のキャリアが分かる
〇 キャリア形成に役立つ習慣が分かる
具体的には、人事労務の担当者がたどる主なキャリアと人事労務に特有のキャリアプランを紹介します。筆者の実務経験をふまえた内容となっているので、ぜひ参考にしてみてください。
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人事労務のキャリアプラン
以下、人事労務の担当者の主なキャリアプランを3つ紹介します。
管理部門のゼネラリスト

人事労務担当者の主なキャリアプラン1つ目は「管理部門のゼネラリスト」です。理由は以下のとおり。
✔ 他の部署と連携しやすい
✔ 事務的なスキルを活かせる
✔ 人的リソースを抑制できる
人事労務は、総務や経理などの他部署と連携しながら業務を進めるのが常。バックオフィス全体に顔が利くポジションです。各部署の動きも把握しているので、異動した場合でも仕事に慣れやすい利点があります。

事務スキルを活かせるのもポイント!
人事労務をはじめ総務や経理などの管理部門では、業務において共通のソフトやアプリを使用することが多いです。会議開催や書類作成などの運用も統一されている(または近しい)など、スキルを活かしやすい環境でもあります。
ほかにも、管理部門のゼネラリストを育成して部門内で人員を融通することで、企業として人的リソースを抑制できるメリットもあります。
なお、管理部門のゼネラリストにいたるキャリアの流れは以下のとおり。
1:人事労務の部署に配属
└勤怠管理、給与計算などを経験
2:数年後、管理部門の他部署へ異動
└総務・経理・財務・法務など
3:異動を繰り返しながら昇進・昇格
4:管理部門内の部署で管理職を経験
└係長、課長クラスは部署間の異動有り
5:管理部門の部長に就任
なお、規模の小さい企業ほどゼネラリストを求める傾向が強いです。「管理部門」として人事労務・総務・経理などの機能を包括的に有するなど、最初からゼネラリストとしての役割を求められる場合もあります。
バックオフィス全般で活躍したい方、管理職者を目指す方に向いているキャリアです。
人事労務のスペシャリスト

人事労務の主なキャリア2つ目は「人事労務のスペシャリスト」。理由は以下のとおりです。
✔ ミスが許されない
✔ 法的な知見が求められる
✔ スペシャリストが重宝される
人事労務は、業務上のミスが許されない部門。給与の計算ミスや社会保険の手続き漏れ、36協定の未提出など、些細なミスが経営リスクに発展する可能性があるからです。

法律に基づく業務が大半を占めるので、労働法の知識も必須。
業務の専門性が求められることも相まって、スペシャリストが重宝される傾向にあります。人事労務のスペシャリストにいたるキャリアの流れは以下のとおりです。
1:人事労務の部署に配属
└手続き業務を中心に担当
2:部署内でローテーションを経験
└数年かけて様々な業務を経験
3:部署内で昇進昇格を繰り返す
└プロジェクトリーダー等を担当
4:人事労務の管理職に就任
└部下のマネジメント業務が発生
└複数業務を束ねる役割を担う
5:人事労務の課長>部長へと昇進
└経営層への報告や協議がメイン
└部署全体の舵取りを担う
人事労務の部署に配属されると、雇用契約書の作成や給与計算などの業務からスタートします。

数か月~数年単位で複数の業務を経験しながら、3~6年で主任に昇進。
年次が上がるごとに人事制度の設計や労務トラブル対応など、難易度の高い業務を担当するようになります。その後、いくつかのプロジェクトでリーダーを経験した後、管理職(係長)に就任。
その後は仕事の実績や評価によりますが、数年~十数年をかけて課長→部長へと昇進していきます。年功序列の側面はあるものの、人事労務の仕事に特化したい方向けのキャリアです。
社会保険労務士として独立

人事労務のキャリアプラン3つ目は、「社会保険労務士として独立」です。理由は以下のとおり。
✔ 人事労務の知見が試験に活かせる
✔ 実務経験が社労士業務と重複する
✔ 実務経験が登録要件に含まれる
人事労務の仕事で得た知見は、社会保険労務士の試験に役立ちます。人事労務の業務内容と社労士の試験科目には深い関わりがあるからです。
<社労士の試験科目>
・労働基準法および労働安全衛生法
・労働者災害補償保険法(徴収法を含む)
・雇用保険法(徴収法を含む)
・労務管理その他労働に関する一般常識
・社会保険に関する一般常識
・健康保険法
・厚生年金保険法
・国民年金法
たとえば、就業規則や労使協定の作成には労働基準法、職場の安全管理や労働災害の防止には労働安全衛生法が関わっています。
また、労災の申請や雇用保険の手続きには労働保険の知識が欠かせません。入退社に伴う健康保険や厚生年金の加入脱退や、給与からの保険料天引きの業務では社会保険の知識が不可欠。

社労士の仕事とも重複しているので、実務経験がそのまま業務に活かせます
ほかにも人事労務の職歴は、社会保険労務士として登録(開業)する際の要件である「2年間の実務経験」※にカウントされるなど、社労士として独立を目指す上で有利に働きます。
※労働社会保険諸法令に関する実務経験に限る
最近は企業で働きながら、副業として社労士業務を請け負うケースも増加。社労士に登録しておくことで以下のような案件を獲得することも可能となるなど、活躍の場はますます広がっています。
・社労士会主催の労務相談対応
・ハローワークでの就職指導
・行政機関での年金手続き対応
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人事労務のキャリア(業務別)
上記では、人事労務がたどる主なキャリアプランを解説しました。ここからは人事労務の担当者が経験する業務別のキャリアについて紹介します。
規則規程の管理運用

人事労務の業務別キャリア1つ目は「規則規程の管理運用」です。人事労務では、企業運営に欠かせないさまざまな規則規定を管理しています。
<人事労務が管理する規則規程>
・就業規則
・労使協定
・その他の内規…etc.
一般的には、就業規則をはじめ、36協定や変形労働協定などの労使協定、賃金体系や評価制度などの内規があります。これらは法改正や社会情勢の変化、競合他社の動向をふまえて、内容の見直しが必要なものです。

その役割を担うのが人事労務。
労働法に関する専門知識をもとに規則や規程を最新化するなど、企業の法規対応を担います。年度が変わるタイミングで見直しするケースが多く、年度末の時期は規則の改訂や協定の締結作業に追われます。
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従業員の勤怠管理

人事労務の業務別キャリア2つ目は「従業員の勤怠管理」です。人事労務では、就業規則や36協定に定めた労働条件を従業員が遵守しているか、以下の事項を定期的に確認しています。
・始業および終業の時刻
・申請した勤務時間と打刻との乖離
・時間外労働時間数…etc.
具体的には、従業員が申請した勤務時間(始業・終業時刻)と打刻との乖離がないか、残業時間が36協定の範囲に収まっているかチェックします。

過重労働にならないよう、部門長や従業員へ助言や指導をすることも。
ほかにも年次有給休暇の取得状況を確認したり、未申請の残業がないか調査するなど、法に則った働き方となるよう勤怠管理する役割を担います。
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給与計算および付帯業務

人事労務の業務別キャリア3つ目は「給与計算および付帯業務」です。人事労務では、従業員が申告した勤怠情報をもとに、毎月の給与計算および付帯業務を担当しています。
・毎月の給与計算
・保険料や税金などの算出
・公的保険の手続き…etc.
人事労務では、勤怠締日までに申告された従業員の勤怠情報をもとに毎月の給与額を計算。雇用保険・健康保険・厚生年金などの保険料を算出し、所得税などと一緒に給与から天引きしています。

健康保険や厚生年金の月額変更、育児介護休業に伴う手続きも行います。
その他、年末調整の扶養控除申告書の取りまとめやコロナ禍に伴う企業の助成金申請にも対応。公的保険や各種税法の知識をもとに、給与計算とそれに付帯する幅広い業務を担当します。
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職場の安全衛生管理

人事労務の業務別キャリア4つ目は「職場の安全衛生管理」です。人事労務では、安全衛生の観点から職場環境を管理する役割を担っています。
・職場内の危険箇所の指摘
・危険予知トレーニングの実施
・健康診断やストレスチェック…etc.
具体的には、定期的に各職場や事業所を巡回し、労災につながるような危険がないか点検します。

危険箇所を発見した際は改善を指示!
社内における労働災害撲滅のキャンペーンを企画したり、危険予知トレーニングを実施したりと、日頃から労働災害の防止に向けた取り組みを推進するポジションです。
従業員の健康診断やストレスチェックの実施を手配するのも業務の範疇。健診結果をふまえて、産業医面談をセッティングしたり、医療機関で再検査を促したりと健康面でのフォローも行います。
最近では従業員のメンタルヘルスに着目し、管理職者向けのラインケアや従業員向けのセルフケアの研修を実施する企業が増加。多角的な面から、安全衛生体制を構築する役割を担っています。
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労務トラブルへの対応

人事労務の業務別キャリア5つ目は「労務トラブルへの対応」。人事労務は、会社と従業員あるいは従業員同士のトラブルなどの突発的な事案にも対応します。
・上司や同僚からのハラスメント
・従業員同士のケンカやトラブル
・労働局や労基署との対応…etc.
人事労務の部署には、従業員からのホットラインなどの通報窓口を設置している企業が多くあります。そのため、社内における様々なトラブルの相談や解決依頼が寄せられます。

パワハラを受けている、職場でいじめが起きているなど…
人事労務へ通報が入ると、関係者へヒアリングをしたり、職場を視察したりと水面下で調査を行います。ハラスメントなどの被害を確認できた場合、加害者への指導や懲罰規定に基づく処分を実施。再発防止の徹底を図ります。
そのほか「過重労働が常態化している」「サービス残業が横行している」などの理由で、従業員が労働局へ通報する場合もあります。

労働局から問合せがきたり、労働基準監督署が査察に来たりするケースも。
指導や勧告を受けた際は、社内における改善対応および労基署への是正報告を行います。プロパー業務以外にも突発的な事案に対応する役割を担っているのが人事労務です。
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キャリア形成に役立つ習慣
ここまで人事労務の担当者がたどる主なキャリアプランと業務別のキャリアを紹介しました。年功序列の側面が強い人事労務ですが、実はキャリアアップを図るには専門性を高める努力も不可欠。
そこで、人事労務のキャリア形成に役立つ習慣を3つ紹介します。
経営的な視点を養う

人事労務のキャリア形成に役立つ習慣1つ目は、「経営的な視点を養う」ことです。人事労務にとって経営的な視点を養うのが重要な理由は以下のとおり。
・組織全体を俯瞰する必要がある
・経営層のパートナー的な位置付け
人事労務の役割は、従業員が安心して働ける組織作り。業務を通じて「組織上の問題は何か」を常に意識しなければなりません。

自部署の業務にのみ注力するのではなく、組織全体を俯瞰する目が必要です
就業規則や人事制度を変更する場合は、特定の部門や従業員に有利(不利)とならないよう、組織の全体最適につながる施策が求められます。
また最近の人事労務は、経営層のパートナー的な位置付けとなってきました。従来は就業規則や労働環境の整備などの管理業務が中心でしたが、現在は経営戦略に沿った人的リソースの適切なマネジメントに重点を置く役割にシフトしています。

経営層に「NO」を突き付けるなど、ご意見番の役割を求められる場面も。
ほかにも副業の解禁やテレワーク導入による管理方法の見直し、高齢社員の積極活用に向けた施策検討など、経営センスを問われる業務が増加。これまで以上に、経営層のパートナーとして業務に取り組むことが求められています。
以上の観点から、経営的な視点を養うことが人事労務のキャリア形成に役立ちます。
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外部の研修に参加する

人事労務のキャリア形成に役立つ習慣2つ目は、「外部の研修に参加する」ことです。外部研修への参加が重要な理由は以下のとおり。
・専門家の教育や研修が受けられる
・競合他社の情報が手に入る
・新たな気づきを得るきっかけになる
人事労務として働く方は、外部機関が実施する研修やセミナーへ積極的に参加しましょう。社労士などの専門家から、人事労務に関する体系的な知識や最新の法改正情報を学べるからです。

グループワークや名刺交換を通じて、競合他社の情報を得るチャンス!
人事労務は日頃から社内の課題にフォーカスしているため、近視眼的なものの見方に陥りがち。外部の研修に参加することで、自社の置かれた状況を客観的に捉えることができ、新たな気づきを得るきっかけにつながります。
以上の観点から、外部の研修やセミナーへの参加が人事労務のキャリア形成に役立ちます。
資格取得でスキルアップ

人事労務のキャリア形成に役立つ習慣3つ目は、「資格取得でスキルアップ」することです。キャリア形成において資格の取得を勧める理由は以下のとおり。
・仕事のスキルアップに直結する
・人事評価のアピールにつながる
・仕事のモチベーションが高まる
業務に関連する資格の取得は、仕事のスキルアップに直結します。前任の引継ぎに頼って何となくこなしていた業務を、体系的な知識を得ることで本質から理解できるようになるからです。

業務で場当たり的に対処していた問題の抜本的な解決にもつながります。
業務に関連した資格取得は、人事評価のアピールにも効果的。異動の希望が通りやすくなったり、昇進や昇格のきっかけになる可能性もあります。
その他、資格取得は仕事に対するモチベーションアップにつながります。新たに得た知識やスキルを活かして活躍の場を広げられるからです。
これらの観点から、業務に関連する資格の取得は人事労務のキャリア形成に役立ちます。
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まとめ
以上、人事労務の主なキャリアプランとキャリア形成に役立つ習慣を解説しました。
人事労務は、管理部門のゼネラリストや社労士として独立など、様々なキャリアがあります。現在の担当業務や仕事に対する志向をふまえて、適切なキャリアプランを描きましょう。
別記事で、人事労務におすすめの資格16選を紹介しています。スキルアップを目指す方はこちらもどうぞ。