管理部門を目指す方へ!労務の具体的キャリアを解説

Labor-career-vision 労務とは

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企業の労務部門で働く方やこれから労務を目指す方は、こんな悩みはありませんか?

✔ 将来的なキャリア展望が描けない
✔ 労務の仕事を続けるか迷っている
✔ 自分の志向性と合っているか不安

そこで本記事では労務のキャリアについて紹介!

記事を読むメリットは次のとおりです。

〇 労務のキャリアビジョンを描ける
〇 労務を続けるか否かの指標になる
〇 自分の志向性に合うか判断できる

具体的には、労務担当者がたどる主なキャリアと労務部門に特有のキャリア事例を解説します。

企業における10年超の実務経験をふまえた内容となっているので、労務のキャリア形成が気になる方はぜひ参考にしてみてください。

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労務担当者の主なキャリア

以下、労務担当者が辿る主なキャリアを3つ紹介します。

管理部門のゼネラリスト

労務担当者の主なキャリア一つ目は、管理部門のゼネラリストです。

管理部門のゼネラリストが挙げられる理由は次のとおり。

✔ 他の管理部門と連携しやすい
✔ 事務的なスキルを活かせる
✔ 人的リソースを抑制できる

労務は、仕事の特性上、日常的に他の管理部門と連携しながら業務を進めています。

人事・総務・経理などを中心に、バックオフィス全体に顔が利くポジションです。

各部門の動きもある程度把握しているので、労務以外の部門へ異動した場合も連携しやすい利点があります。

さわ
さわ

労務での事務的スキルを活かせるのもポイント!

管理部門全体では、業務において共通のソフトやアプリを使用していることが多いからです。

会議や書類作成などの運用方法も統一されている(または近い)など、事務スキルを活かしやすい環境と言えます。

その他、ゼネラリストを育成して管理部門全体で人員を融通することで、企業として人的リソースを抑制できるメリットもあります。

なお、管理部門のゼネラリストのキャリアを歩む場合の主な流れは次のとおりです。

1:労務部門に配属
 └勤怠管理、給与計算などを経験
2:数年後、他の管理部門へ異動
 └人事・総務・経理・財務・法務など
3:異動を繰り返しながら昇進昇格
4:管理部門のいずれかで管理職を経験
 └係長、課長クラスは部門異動あり
5:管理部門のいずれかで部長に就任

特に、中小企業やベンチャーなど、規模の小さい企業ほどゼネラリストを求める傾向が強いです。

「管理部」として人事・労務・総務などの機能を包括的に有するなど、異動を伴わずゼネラリストとしての役割を求められる場合もあります。

幅広いスキルを習得し、バックオフィス全般で活躍したい方におすすめのキャリアです。

労務部門のスペシャリスト

労務担当者の主なキャリア二つ目は、労務部門のスペシャリストです。

労務部門のスペシャリストが挙げられる理由は次のとおり。

✔ 業務上のミスが許されない
✔ 業務における専門性が高い
✔ 業務で法的知見が求められる

労務は、業務上のミスが許されない部門です。

給与計算の誤り、公的保険の手続き遅延、36協定の届出失念など、些細なミスが経営リスクに発展する可能性があるからです。

また、一つ一つの業務に高い専門性が求められる等スペシャリストが重宝される傾向にあります。

さわ
さわ

法に基づく業務が大半を占めるので、労働法を中心とした法的知見も必須!

そのため、労務部門のスペシャリスト人材は企業から高いニーズを誇ります。

労務部門のスペシャリストのキャリアを歩む場合の主な流れは次のとおりです。

1:労務部門に配属
 └まずは手続き業務を中心に担当
2:部門内でローテーションを経験
 └数年かけて様々な業務を経験
3:労務部門で昇進昇格を繰り返す
 └プロジェクトリーダー等を担当
4:労務部門の管理職に就任
 └部下のマネジメント業務が発生
 └複数業務を束ねる役割を担う
5:労務部門の課長>部長へと昇進
 └経営層との協議や報告がメイン
 └労務部門全体の舵取りを担う

労務部門に配属されると、雇用契約書作成や給与計算などのプロパー業務からスタートします。

さわ
さわ

数か月~数年単位で複数の業務を経験しながら、3~6年で主任に昇進。

年次が上がるごとに人事制度設計や労務トラブル対応など、難易度の高い業務を担当します。

その後、いくつかのプロジェクトにてリーダーを経験した後、管理職(係長)に就任。

係長就任後は、仕事の実績や評価によりますが、数年をかけて課長→部長へと昇進していきます。

さわ
さわ

なお、労務部門の管理職は、部内から抜擢されるケースが一般的

業務上ミスが許されず、仕事の専門性も高いなど経験が重視される部門だからです。

特に、大企業など人員に余力のある企業においてスペシャリストを求める傾向にあります。

年功序列的な部分もありますが、労務として高い専門性を磨きたい方におすすめです。

社労士としての独立開業

労務担当者の主なキャリア三つ目は、社労士として独立開業です。

社労士としての独立開業が挙げられる理由は次のとおり。

✔ 労務の知見が社労士試験に役立つ
✔ 実務経験が社労士業務に活かせる
✔ 労務の職歴が登録要件に該当する

企業の労務部門で培った知見は社労士試験で非常に役立ちます。

業務において、社労士試験科目のほぼ全ての領域を取り扱っているからです。

<社労士の試験科目>
・労基法および安衛法
・労災保険法(労働保険料の徴収を含む)
・雇用保険法(労働保険料の徴収を含む)
・労務管理その他労働に関する一般常識
・社会保険に関する一般常識
・健康保険法
・厚生年金保険法
・国民年金法

例えば、労基法は就業規則の作成、安衛法は職場の安全管理、労働・社会保険は加入脱退手続きや給付金の申請業務に関わってきます。

社労士が企業から請け負う仕事とも重複しているので、労務部門の実務経験がそのまま社労士業務にも活かせます。

また、労務の職歴は社労士登録(開業)する際の要件である2年間の実務経験※にもカウント可

※労働社会保険諸法令に関する実務経験に限る

実務未経験者より有利な条件で受験できるため、社労士試験に挑戦する労務担当者も多くいます。

なお、社労士として独立の際は社労士法人や個人事務所で一定期間修行するのが一般的。

そこで培った人脈を活かしクライアントを獲得!

さわ
さわ

独立後、徐々に仕事の幅を広げる形になります。

そのほか、最近は、企業で働きながら副業として社労士業務を請け負うケースも出てきました。

たとえば、社労士に登録することで以下のような案件を獲得することも可能!

・社労士会主催の労務相談対応
・ハローワークでの就職指導
・行政機関での年金手続き対応

社労士業務のアウトソーシングも増えているなど活躍の場はますます広がりを見せています。

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労務部門のスペシャリスト例

上記で、労務担当者がたどる主なキャリアを解説しました。

その中で、労務部門のスペシャリストとして活躍する場合の具体的な事例を5つ取り上げます。

規則規定の専門家

労務部門のスペシャリストとして活躍する一つ目の事例は、規則規定の専門家です。

労務では、企業運営に欠かせないさまざまな規則規定を管理しています。

<労務が管理する規則規程>
・就業規則
・労使協定
・その他の内規…etc.

具体的には、就業規則をはじめ従業員に周知する36協定や変形労働協定、内規として取り扱う賃金体系や評価制度などが挙げられます。

上記はいずれも、法改正・社会情勢の変化・競合他社の動向などをふまえて、変更や修正を加える必要があります。

その役割を担うのが労務部門における規則規定の専門家。

労働法に関する専門的知識をもとに規則や規程を最新化するなど、企業の法規対応を担います。

勤怠管理の専門家

労務部門のスペシャリストとして活躍する二つ目の事例は、勤怠管理の専門家です。

労務では、就業規則や36協定に定めた労働条件を従業員が遵守しているか、日々管理しています。

・始業および終業の時刻
・申請した勤務時間と打刻との乖離
・時間外労働時間数…etc.

例えば、従業員が申請した勤務時間(始業・終業の時刻)と打刻との乖離がないか、残業時間が36協定の範囲に収まっているか定期的にチェック!

36協定の限度時間(月45時間又は年360時間)を超えて働かせる場合には、特別条項に基づく許可申請の窓口としても機能します。

そのほか、振休や年休の取得状況を確認したり、未申請の残業はないか調査するなど、法に則った働き方となるよう勤怠管理する役割を担います。

給与計算の専門家

労務部門のスペシャリストとして活躍する三つ目の事例は、給与計算の専門家です。

労務では、全従業員の勤怠情報をもとに、毎月の給与計算および付帯業務を担当しています。

・毎月の給与計算
・保険料や税金などの算出
・公的保険の手続き…etc.

例えば、労務で取りまとめた従業員の勤怠情報をもとに毎月の給与支給額を計算しています。

雇用保険・健康保険・厚生年金などの各保険料や所得税額なども算出し、給与天引きに反映。

付帯業務として、従業員の入退社による公的保険の加入脱退や育児・介護休業などに伴う給付金の申請手続きも行っています。

その他、年末調整の扶養控除申告書の取りまとめやコロナ禍に伴う企業の助成金申請にも対応。

公的保険や各種税法の知識をもとに、給与計算とそれに付帯する幅広い業務を担当します。

安全衛生の専門家

労務部門のスペシャリストとして活躍する四つ目の事例は、安全衛生の専門家です。

労務では、安全および衛生の両面から職場環境を管理・構築する役割を担っています。

・職場内の危険箇所の指摘
・危険予知トレーニングの実施
・健康診断やストレスチェック…etc.

例えば、定期に各職場や事業所を見回り、労災につながるような危険箇所がないか点検します。

危険箇所を発見した際は、各職場へ改善を指示!

また、全社的に危険予知トレーニングを実施するなど、日頃から労災防止に向けた取り組みを推進するポジションです。

その他、従業員の健康診断やストレスチェックの実施を取りまとめるのも業務の範疇。

健診結果をふまえて、産業医面談をセッティングしたり医療機関で再検査を促すなど、健康面でのフォローを行います。

最近は従業員のメンタルヘルスに着目し、管理職へのラインケアや一般従業員向けにセルフケアの研修を実施するなどメンタル面のケアにも対応。

コロナ禍では、産業医と連携して社内のワクチン接種手配を進めるなど、職場内の安全衛生を強化する役割を担います。

労務対応の専門家

労務部門のスペシャリストとして活躍する五つ目の事例は、労務対応の専門家です。

労務部門は、会社と従業員あるいは従業員同士のトラブル、労基署の査察など、突発的な業務にも対応します。

・上司や同僚からのハラスメント
・従業員同士のケンカやトラブル
・労働局や労基署との対応…etc.

労務部門には、従業員からのホットラインなどの通報窓口を設置している企業が多くあります。

そのため、社内における様々なトラブルの相談や解決依頼が寄せられます。

さわ
さわ

日常的にパワハラやセクハラを受けている、職場でいじめが起きている等…

通報が入ると、関係者へヒアリングを行ったり、職場を視察するなど、水面下で調査を行います。

仮にハラスメントなどの被害を確認できた場合、加害者への指導や懲罰規定に基づく処分を実施。

職場全体で説明会や研修を行うなど、再発防止の徹底を図ります。

そのほか、過重労働が常態化している、サービス残業を強いられているなどの理由から、従業員が労働局や労基署へ通報するケースもあります。

通報が入ると労働局や労基署から会社へ問合せがきたり、急遽査察に訪れる場合も…

指導や勧告を受けた際は、社内における是正対応および労基署への報告をセットで行います。

上記のように、プロパー業務以外の突発的事案に対応する役割を担います。

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労務のキャリア形成に役立つ習慣

ここまで、労務がたどる主なキャリアと労務部門のスペシャリストして活躍する場合の事例を解説しました。

年功序列の面が強い労務ですが、キャリアアップを目指すには専門性を高める努力も不可欠!

そこで、労務のキャリア形成に役立つ習慣を3つ紹介します。

経営的な視点を養う

労務のキャリア形成に役立つ習慣一つ目は、経営的な視点を養うことです。

経営的視点を養うのが重要な理由は次のとおり。

・物事を俯瞰する必要がある
・組織として全体最適が求められる
・経営層のパートナー的な位置付け

労務の役割は従業員が安心して働ける組織作り。

業務を通じて「組織上の問題は何か」を常に意識しなければなりません。

そのため、身の回りの業務にのみ目を向けるのではなく、経営者のように組織全体を俯瞰する目が必要です。

また、法改正や社会情勢の変化を受け、就業規則をはじめ各種制度の変更や新設を手掛ける場合もあります。

さわ
さわ

その際、特定の部門や従業員に有利(不利)となるような施策はNG!

経営的な視点で、組織の全体最適につながるようバランスを取ることが求められます。

そして、労務は経営層のパートナー的な位置付けとなる部門。

経営層に「NO」を突き付けるなど、ご意見番としての役回りを求められる場面も出てきます。

従来の労務は、就業規則や労働環境の整備などの管理業務が中心でした。

しかし現在は、経営戦略に沿った人的リソースの適切なマネジメントに重点を置く役割にシフト!

副業の解禁やテレワーク導入に向けた管理手法の見直し、高齢社員の積極活用に向けた施策検討等より経営的な性格をもった業務が増えています。

そのため今まで以上に経営層のパートナーとして業務に取り組むことが求められています。

以上の観点から、経営的視点を養うことが労務のキャリア形成に大いに役立ちます。

外部の研修に参加する

労務のキャリア形成に役立つ習慣の二つ目は、外部の研修に参加することです。

外部研修への参加が重要な理由は次のとおり。

・専門家の教育や研修が受けられる
・競合他社の情報が手に入る
・新たな気づきを得るきっかけになる

労務部門で働く方は、外部機関が実施する労務に関連した研修やセミナーへの参加がおすすめ!

社労士などの専門家から、労務に関する体系的な知識や法改正情報を学ぶことができるからです。

また、研修やセミナーではグループワークや名刺交換の場が設けられる場合もあります。

さわ
さわ

競合他社の動向など貴重な情報を得るチャンスです。

その他、外部の研修やセミナーへの参加は新たな気づきを得るきっかけにもなります。

労務として社内の課題にのみフォーカスしていると、近視眼的なものの見方に陥りがち

外部の研修に参加することにより自社の置かれた状況を客観的に捉えられるなど、新たな気づきを得るきっかけにつながります。

以上の観点から、外部の研修やセミナーへの参加が労務のキャリア形成に役立ちます。

労務関連の資格を取得する

労務のキャリア形成に役立つ習慣の三つ目は、労務関連の資格を取得することです。

労務関連の資格取得が重要な理由は次のとおり。

・仕事のスキルアップに直結する
・人事評価上のアピールにつながる
・仕事へのモチベーションが高まる

労務関連の資格を取得することは、仕事のスキルアップに直結します。

前任の引継ぎに頼り、何となくこなしていただけの業務の本質を理解できるようになるからです。

体系的知識を得ることで、場当たり的に対処していた問題の抜本的な解決にもつながります。

また、仕事に関連する資格取得は、人事評価上のアピールにも効果的

異動に際して希望が通りやすくなったり、昇進や昇格のきっかけになる可能性もあります。

その他、資格取得は仕事に対するモチベーションアップにもつながります。

新たに得た知識やスキルを武器に、労務としての活躍の場を広げられるからです。

以上の観点から、関連資格を取得することは労務のキャリア形成に大いに役立ちます。

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まとめ

以上、労務の主なキャリアと労務のキャリア形成に役立つ習慣について解説しました。

労務には、管理部門のゼネラリスト・労務部門のスペシャリスト・社労士として独立の3つの道があります。

将来性や自身のキャリア志向をふまえて、適切なキャリアビジョンを描きましょう。

別の記事で労務に向いている人の特徴10選を解説しているので、気になる方はこちらもどうぞ。

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