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企業の人事労務部門で働く方やこれから人事労務を目指す方は、こんな悩みはありませんか?
✔ 自分に適正があるのか不安だ
✔ 人事労務に必要な素養が知りたい
そこで本記事は人事労務に向ていない人の特徴を紹介。記事を読むメリットは以下のとおりです。
〇 人事労務に向いているか判別できる
〇 人事労務に求められる素養が分かる
具体的には、筆者の実務経験および人事労務の仕事内容をふまえて「人事労務に向いてない人の特徴10選」を解説します。
・社会保険労務士有資格者
・人事労務経験10年以上
・大手製造業で社全体の労務管理を担当
・労働局や労基署との折衝を数多く経験
・従業員代表協議や労務トラブルに対応
企業の人事労務として働いている方や、これから人事労務を目指す方は参考にしてみてください。
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人事労務に向いてない特徴

以下、人事労務に向いてない特徴10選について解説していきます。

紹介する特徴は大きく2つに分けられます。
1~5:本人の性格的な側面が強い
6~10:職務経験による側面が強い
人事労務に向いてない特徴の1~5の項目は、本人の個性とも言える部分。本人の価値観や考え方による側面が大きいので、教育や研修による矯正は難しいと考えられます。
6~10の特徴は、仕事上の経験値が関わってくる項目です。相応の業務やポジションを任されることで、身に付けられるスキルでもあります。
一概に「いくつ当てはまったから、向いている(向いてない)」と判断するのではなく、性格的な側面と職務経験による側面を比べながら、自身の適正を検討してみましょう。
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大雑把な性格の人

人事労務に向いてない特徴一つ目は「大雑把な性格の人」です。大雑把な性格の人が、人事労務に向いてない理由は以下のとおり。
✔ 細かい作業が多い
✔ 緻密な準備を要する仕事がある
✔ 些細なミスが経営リスクに発展する
人事労務は、日頃から細かい作業や緻密な準備を要する業務が大半を占めます。
・ 勤怠管理
・ 給与計算
・ 入退職に伴う各種手続き
・ 雇用契約の締結および更新
・ 就業規則や労使協定の管理
人事労務は従業員全体の勤怠を管理したり、給与計算する役割を担っています。勤怠の申告漏れがないか日々チェックし、実際の出退勤時刻と勤務時間の整合性を確認した上で給与計算する流れになっています。

入退職に応じて貸与物の発注や回収、社会保険の加入脱退にも対応。
有期労働契約者がいる場合は、数か月~1年ごとに契約更新のため、雇用契約書の作成や本人への説明、契約締結などの業務が発生します。
その他、就業規則や労使協定を作成・変更する際は、関連法規などの情報を収集した上で作成する必要があります。
いずれも法律に則った対応が求められるため、ミスが許されない仕事です。「給与計算を間違えた」「社会保険の手続きが漏れていた」「雇用契約を更新し忘れていた」など、些細なミスが企業の信頼を損ねる原因にもなります。

同じような状況が続くと、従業員から労基署へ通報される場合も…
場合によっては、労働基準監督署から指導や勧告が入ったり、企業名が公表されたりと経営リスクに発展する可能性も否めません。
そのため、性格が大雑把な人は人事労務に向いていません。
人と接するのが苦手な人

人事労務に向いてない人の特徴二つ目は「人と接するのが苦手な人」です。理由は以下のとおり。
✔ 従業員からの問合せが多い
✔ 他部門とのやりとりが多い
✔ 外部機関等との折衝が多い
人事労務は、従業員からの問合せや他部門とのやりとり、外部機関との折衝など、人との接点が多い部門です。
・ 給与や各種手続きに関する問合せ対応
・ 各部門へ依頼事項の伝達や情報展開
・ 公的機関からの問合せや査察の対応
たとえば従業員からは、給与や年末調整、社内の各種手続きなど、様々な問合せや質問がきます。社内の各部門とは、勤怠不備の修正依頼や異動に関する情報展開などのやりとりが日常茶飯事です。
自然災害で公共交通機関に影響が出たり、休業を余儀なくされるなどの事態に陥った際は、会社としての対応を全社的に通達する役割も担います。
その他、ハローワークからは離職理由について問合せがきたり、労働基準監督署から指導や査察があった場合の対応も発生。業務を通じて多くの人と接するのが人事労務の特徴です。
そのため、人と接するのが苦手な人は人事労務に向いていません。
口の軽い人

以下の理由から、「口の軽い人」も人事労務には向いていません。
✔ 従業員の個人情報を取り扱う
✔ 評価や賞罰の内容を知り得る
✔ 公にできない情報を取り扱う
人事労務では、従業員の個人情報をはじめ、人事上の評価や賞罰、その他の機密情報を数多く取り扱います。
・ 住所、生年月日、家族構成
・ 健康診断結果や既往歴
・ 人事上の評価およびボーナス金額
・ 異動や昇格降格などの各種辞令
・ 労務トラブルなど係争中の事案
上記のように、人事労務は従業員の住所・生年月日・家族構成・病歴・ローン有無など、様々な情報を取り扱います。各従業員の人事評価やそれに伴うボーナス金額、異動に伴う辞令なども対象。
その他、社内における従業員トラブルなど、係争中の事案に関して水面下で調査を行ったり、情報収集したりするケースもあります。

時期が来れば公表する情報もありますが、基本的にはすべて機密情報扱い!
社内はもちろん、プライベートでもうっかり口外しないよう情報漏洩防止の徹底が求められます。
そのため、口の軽い人は人事労務に向きません。
期限にルーズな人

期限にルーズな人も人事労務に向いていません。理由は以下のとおりです。
✔ 期限を先延ばしできない業務が大半
✔ 法律で期限が決まっている業務がある
✔ 期限を破ると経営リスクに発展する
人事労務は、給与支払いや社会保険の手続きなど期限が設けられてた業務が大半を占めます。
・ 毎月の勤怠締め処理
・ 給与計算および支払い処理
・ 労働契約の締結
・ 雇用保険や社会保険の加入手続き
・ 36協定の届出
たとえば毎月の給与計算のタイミングは、給与支払日から逆算して期限が設定されています。給与計算が遅れると、その後の給与支払にあてる時間が減ることになります。

最悪の場合、給与支給が遅延し、従業員に多大な迷惑をかける事態に…
従業員との労働契約締結にも要注意。事前に労働条件を書面で明示することが法律上義務づけられているからです。労働条件通知書を交付せず働かせた場合、労基法15条1項に違反することとなり、企業に罰金が科せられる場合があります。
公的保険の加入手続きについては、雇用保険が「雇用した日の翌月10日」、社会保険が「雇用した日から5日以内」と法律で定められています。
その他、会社と労働組合(または従業員代表)が締結する36協定の届出も同様です。36協定の提出期限は「起算日」前日までとなっており、届出が遅れた日数の時間外労働や休日労働はすべて労働基準法違反となってしまいます。
上記のとおり、人事労務では期限を先延ばしできない業務を数多く取り扱っています。そのため、期限にルーズな人は人事労務に向いていません。
目立ちたがりな人

人事労務に向いてない人の特徴5つ目は「目立ちたがりな人」です。理由は以下のとおり。
✔ 縁の下の力持ち的な存在だから
✔ 仕事の成果や実績を評価されにくい
人事労務は、企業における「縁の下の力持ち」的な存在。就業規則を改訂したり勤怠管理したりと従業員が安心して働ける職場環境をつくるのが主な役割です。

営業のように売上を立てたり、契約を取ったりと目立つ存在ではありません
数字=評価につながるわけではないので、仕事の成果や実績を評価されにくい側面もあります。そのため「仕事でバリバリ活躍したい」「実績をもっと評価してほしい」といったマインドを持つ方は、人事労務には向いていません。
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法律に苦手意識のある人

ここまで紹介した特徴は、本人の性格的な側面が強い内容でした。ここからは性格的な面を含みつつ、仕事上の経験値が影響する部分について紹介します。
人事労務に向いてない人の特徴6つ目は「法律に苦手意識のある人」です。理由は以下のとおり。
✔ 法律に基づいた業務が大半を占める
✔ 実際の業務で法的知見が求められる
✔ 法改正に対応しなければならない
人事労務は、法律に基づいた業務を数多く取り扱っている部門です。
・ 時間外労働の管理と残業代の計算
・ 年休の付与や取得状況の管理
・ 育児休業等に伴う給付金申請…etc.
上記はいずれも人事労務のプロパー業務ですが、仕事を進める上で常に法的知見が求められます。最近では、長時間労働の上限規制、育児・介護休業法の改正、公的保険の適用拡大など、人事労務に関連する法改正が沢山ありました。

最新の情報を常に把握しておかないと経営リスクに発展する可能性も…
「知らなかった」では済まされないため、自主的に法律の知識をアップデートしておく必要があります。そのため、法律に苦手意識のある人は人事労務に不向きと言えます。
人前で話すのが苦手な人

意外に思うかもしれませんが「人前で話すのが苦手な人」も人事労務には向いていません。理由は以下のとおり。
✔ プレゼンを任されることが多い
✔ 大勢の前で話をする機会がある
✔ 研修講師を担当する場合がある
事務方のイメージが強い人事労務ですが、実は人前で話しをする機会が多い部門です。
・ 経営層や関係先との会議や打合せ
・ 入社式や記念式典などの司会進行
・ 教育研修における講義…etc.
人事労務の担当者は、人事制度の改訂や賃金体系の見直し等について経営層と会議する機会がよくあります。

プレゼンターとして企画の内容や狙いについて説明をする側です。
企業の入社式や創立記念式典等の行事において、司会進行を務めるケースもあります。また、入社時教育や階層別研修の際に、「講師」として登壇する機会も出てきます。
そのため、人前で話すのが苦手な人は人事労務は向いていません。
優先順位をつけるのが苦手な人

人事労務に向いてない人の特徴8つ目は「優先順位をつけるのが苦手な人」です。理由は以下のとおり。
✔ 人事労務は常に期限に追われている
✔ 突発的な業務が発生する場合がある
✔ 複数業務を平行してこなす必要がある
人事労務はプロパー業務をたくさん抱えており、優先順位をつけて業務をこなす必要があります。給与計算や雇用契約の更新(有期契約者がいる場合)など、期限に追われていることも多いです。

社内のトラブル解決や労基署の査察対応など、突発業務が発生するのも特徴
プロパー業務をこなしながら、複数のタスクを平行してこなさなければなりません。優先順位を考えながら、臨機応変に業務をこなすスキルが求められます。
そのため、優先順位をつけるのが苦手な人は人事労務に向いていません。
ロジカルな思考が苦手な人

人事労務に向いてない人の特徴9つ目は「ロジカルな思考が苦手な人」です。理由は以下のとおり
✔ 従業員に説明する場面が多い
✔ 経営層にプレゼンする機会もある
人事労務の担当者は、従業員から色々な問合せを受けます。給与の計算方法や年金に関する相談、育児や介護で休業を取る際の手続きと内容はさまざまですが、いずれも制度の主旨に則った説明が求められます。

「なぜそうなるのか」を論理的に説明しなければなりません。
人事制度や賃金体系の変更など、人事労務関連で経営に大きな影響を与える企画は、経営層へプレゼンする機会も出てきます。
プレゼンを成功させるには、企画の主旨や狙い、実施した場合の効果について論理的な説明が求められます。企画の主旨~帰結まで矛盾のないストーリーを作れるロジカルな思考力が必要です。
必ずしも「話上手」である必要はありませんが、ある決定や判断に対し「何故そうなるのか」筋道を立てて説明しなければならないのが人事労務の立場。そのため、ロジカルな思考が苦手な人は人事労務に向いていません。
物事を俯瞰するのが苦手な人

人事労務に向いてない人の特徴10個目は「物事を俯瞰するのが苦手な人」です。理由は以下のとおり。
✔ 経営的な視点が求められる
✔ 客観的な判断が求められる
人事労務は、経営陣と一体となって各部署を統括する役割を担うなど、経営的な視点が求められる部門です。就業規則や人事制度を変更する際は、会社全体の影響をかんがみ経営的な判断が求められます。

時には経営陣へ「NO」を突き付けるなど、客観的な判断力も必要。
また会社と従業員、あるいは従業員同士のトラブルが起きた際は、仲介役として第三者的な立場で状況を分析して紛争解決にあたるなど、全体を俯瞰する目が求められます。
以上の理由から、物事を俯瞰するのが苦手な人は人事労務には向いていません。
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まとめ
以上、人事労務に向いてない人の特徴10選を解説しました。

人事労務は業務の性質上、向き不向きが顕著な仕事です。
自身の適正をよく見極めつつ、適切なキャリアを選択しましょう。
別記事で「人事労務に向いてる人の特徴10選」を解説しています。気になる方はこちらもどうぞ。
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