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就職や転職活動で仕事を探している方は、こんな悩みはありませんか?
✔ ブラック企業に当たらないか不安
✔ 良い企業と悪い企業の区別がつかない
そこで本記事は、求職活動におけるブラック企業の特徴と見分け方を紹介。記事を読むメリットは以下のとおりです。
〇 ブラック企業の特徴が分かる
〇 ブラック企業を見分けるコツが分かる
具体的には、ブラック企業の特徴と見分け方を「求人情報」「Web上」「企業訪問時」「企業訪問後」「その他」に分けて解説します。

最近は過重労働やハラスメントなど、企業の管理体制不備による問題が多発
そのため、求人情報だけを頼りにするのではなく、様々な角度から情報収集して企業の実態を把握することが重要です。
筆者の実務経験をもとにした内容となっているので、求職中の方はぜひ参考にしてみてください。
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ブラック企業の特徴と見分け方

最近の転職マーケットは「売り手市場」と言われており、転職サイトを検索すれば数多くの求人がヒットします。業種や職種によっては選ぶのに困るほど多くの求人が出てくるケースもあり、仕事探しをする身としてはうれしい限りです。

ですが、「ブラック企業」といわれる悪質な求人も混じっているのが実態。
仕事探しにおいて、そのような会社を選ばないよう応募する企業は慎重に選ぶ必要があります。
そこで10年以上、企業の人事労務に携わってきた筆者が、労務管理の視点からブラック企業の特徴と見分け方を解説します。
特徴と見分け方(求人情報)

残業時間が多い
転職サイトに掲載される求人情報には、「毎月の残業時間」を記載する企業が多いです。
残業時間は仕事の量や時期的な繁閑をイメージするのに必要ですし、入社後「聞いていた話と違う」などと企業と労働者がトラブルにならないよう予め掲載されているものなので、それ自体はネガティブな情報ではありません。
しかしながら、恒常的に残業が発生している場合は注意が必要です。主な理由は以下のとおり。
✔ 慢性的な人手不足を抱えている
✔ 管理職の目が行き届いていない
✔ 長時間労働を推奨する風潮がある
なかでも月40時間以上の残業が生じている場合は要注意。36協定による時間外労働の限度時間(特別条項がある場合を除く)が月45時間(変形労働時間制の場合は月42時間)なので、限度時間ギリギリまで働かせている状態になります。

週休2日の企業なら、1日2時間の残業が毎日発生するイメージです。
悪質な企業では、月45時間を超えた分は残業として申告させないなど、サービス残業となるケースも考えられます。業務の繁閑に応じた残業はどの企業でも発生するものですが、頻度や時間があまりに多い場合は注意しましょう。
固定残業代を導入している
求人情報の給与面で「固定残業代」を導入している企業は要注意。固定残業代を設けている=恒常的に残業が発生している可能性が高いからです

企業が固定残業代を導入する目的は、労務費(人件費)の抑制です。
企業体力が十分あり、労務管理が行き届いた会社なら、普通に残業代を支払えばよい話です。
固定残業代を導入しているのは、労務費を抑制し、かつ管理の手間も省いて労働力として使い倒したいという意図の現れでもあります。固定残業代=ブラック企業と言い切れないものの、念のため用心しておきましょう。
固定残業代を導入している場合、その内訳(手当額がいくらで、何時間分の残業に相当するか)も要チェック。記載されている時間分は、毎月残業が発生しているものと捉えたほうが無難です。
テレワーク手当がない
テレワークを導入しているのに、テレワーク手当がない場合も注意しましょう。テレワークをするための金銭的負担について自腹をきることになってしまいます。
テレワーク手当とは、「テレワーク環境の整備」に要する費用に充てるための手当です。
・自宅のネットワーク環境の整備
・ヘッドセットやデスク用品の購入
・防音環境の整備
・レンタルオフィスの契約…etc.

私的利用との線引きが曖昧なものは、手当を支給しない場合もあります。
テレワークを導入しているものの、月の大半が出社という場合も要注意。「出社至上主義」の可能性があるからです。長時間労働の常態化、社訓復唱が日課など、ほかの労働環境も確認して総合的に判断しましょう。
なお、通勤手当を従来どおり支給する代わり、テレワーク手当を支給しない会社もあるため、「手当がない=ブラック企業」というわけではないのでご留意ください。
年間の休日日数が少ない
年間の休日日数が少ない企業もブラック企業の可能性があります。とりわけ年間休日が110日未満の場合は注意しましょう。

企業全体の平均年間休日日数を下回るからです。
以下は令和3年に厚生労働省が公表した調査結果。令和2年における労働者一人あたりの平均年間休日総数を示した図になります。


令和2年の年間休日総数の1企業平均は110.5日、労働者1人平均は116.1日となっています。
「休日日数が平均以下=ブラック企業」と断言できるわけではありませんが、福利厚生面が企業平均より劣っているのは事実です。残業の多寡、年休の取得状況、休日出勤の頻度など、他の労働条件と合わせて判断しましょう。
選考がオンラインで完結
採用試験や選考がオンラインで完結し、入社まで一度も会社に足を運ばない求人も注意が必要です。入社まで会社に行く機会がない場合、何らかの理由で内情を見せたくない可能性があります。
・事業所が殺伐としている
・トラブルが多発している
・実は経営状況が悪い
・事業所が老朽化している
・従業員の素行が悪い
コロナ禍によってオンライン選考が普及したものの、一般的な企業なら「役員面接は対面とする」など、何らかの形で来社の機会を作るのが普通。

企業側としても、求職者と直接会って生の情報を得たいと考えています。
大量採用のため、一人ひとりと対面で会う時間がないことも考えられますが、そもそも大量採用=大量の退職者がいるということです。
採用予定の方一人ひとりと会って話す機会すら設けない会社は、従業員を大事に扱わない可能性があるので注意しましょう。
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特徴と見分け方(Web上)

転職サイトで気になる求人を見つけたら、企業のHPなどで以下の内容を確認してみましょう。求人情報からは読み取れない内部事情が見えてきます
HPのデザインや更新頻度
説明会や面接の前に必ずチェックすべきなのが「企業のホームページ」。デザインが古い、長い間更新されていないなど、管理がおろそかになっている場合は注意が必要です。

HPはいわば「企業の顔」。
会社の基本情報や経営方針、新事業のPRなど、社会に向けて様々な情報を発信する重要なツールになります。そのため、企業に関するニュースや事業のトピックを定期的に配信するのが健全な状態。長い間更新できていないということは、経営状態がよくない可能性があります。

管理が疎かになる要因は、人手不足や経費削減です。
HPを管理できる人材がいない、または仕事が忙しくて手が回らない、管理を外部に委託していたが経費削減のため委託をやめたといった理由が考えられます。
HP管理が疎かな企業は、そうでない企業と比べてブラック企業の可能性が高いので注意しましょう
口コミサイトやSNSの書き込み
企業訪問の前には、口コミサイトやSNSで誹謗中傷やネガティブな書き込みがないかも確認しましょう。企業の内部事情について言及している場合があるなど、企業の実態を把握する判断材料になるからです。

実は大半の企業においてネガティブな書き込みは存在します。
そのため「ネガティブな書き込みがある=ブラック企業」と捉えるのは適切ではありません。書き込みの有無というよりも、その件数や同じ内容がどれだけ書かれているかに着目してみましょう。
なお、口コミサイトやSNSの書き込みは信憑性が高くない可能性もありますので、あくまでも参考情報に捉えておくことをおすすめします。
労務部門の有無
訪問前には、HPで会社の組織構成も確認しておきましょう。とりわけ社内に労務部門を置いていない企業(人事や総務など、他部門が兼任する場合を除く)は注意が必要です。

労務は管理部門の柱といえる存在で、以下のような機能を担っています。
・就業規則や労使協定の管理
・労働契約の締結や更新
・公的保険の加入脱退手続き
・勤怠管理および給与計算
・職場の安全衛生管理
・労働トラブル対応…etc.
一部の業務をアウトソーシングする程度なら問題ありませんが、労務管理そのものを外部に委託して社内に専任者がいない場合は要注意。

就業上のモラルを労働者に委ねるしかなく、就業環境が劣悪になりがち。
特に中小企業やベンチャーは、人手不足などの理由から労務管理がおろそかになりやすいので注意しましょう。
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特徴と見分け方(企業訪問時)

会社説明会や面接など、企業訪問時は情報を得る一番のチャンス。求人情報や事前調査では分からない内部事情も、訪問時に確認してみましょう。
事業所の雰囲気
企業を訪れたら、エントランスや受付、オフィスなど、事業所の雰囲気を確認しましょう。企業の人間関係や職場環境が分かります。

職場の4S(整理・整頓・清掃・清潔)を確認するのがポイント。
商業ビルに入る事業所は、清掃業者が公共スペースを定期的に清掃して綺麗に保たれているので、社員のデスク周辺を確認してみましょう。
自社で社屋を構えている場合は社員が清掃するケースが多いので、雑多であれば管理が行き届いていない可能性が高くなります。
社訓やノルマの掲示
企業訪問時には、事業所内に社訓やノルマが掲げられているか確認しましょう。社訓やノルマを掲示している場合、朝礼やミーティングで復唱を強要させられる可能性があります。

毎日毎朝、復唱を強要させるのは一種の「洗脳」です。
テレワークなどの柔軟な勤務体系が求められる昨今、朝礼やミーティングで毎回社訓を復唱させるような企業はブラック企業の可能性大。出社至上主義を敷いている場合もあるので注意しましょう。
社員の様子やデスク周り
企業訪問時は窓口となる人事担当者はもちろん、勤務している社員の様子も確認しましょう。管理職が部下をきちんと管理できているかの指標になります。

以下の項目に着目するのがおすすめ。
・社員の顔色
・社員の服装
・社員の素行
社員の顔色が悪い、シャツの裾が出ている、椅子の上で胡坐をかいているといった状況が見受けられる場合、管理が行き届いていない可能性大。ずさんな管理は、長時間労働やハラスメント、メンタル不調などのリスクにつながります。

オフィスの様子を伺えるなら、社員のデスク周りを確認するのもポイント。
書類が山積みとなっている社員がいる場合は要注意です。事業所として管理が行き届いておらず、書類の紛失などのトラブルが頻発している可能性があります。
自身が入社した際も、個人情報の含まれた書類を粗雑に扱われる可能性が高いので注意しましょう
喫煙ルールの有無
たばこを吸う吸わないに関わらず、職場の喫煙ルールについても確認しておきましょう。

これといった規制がなく、好きな時間に喫煙できる会社は要注意。
喫煙者のみ「休憩の特権」を与えられて実労働時間が少なくなるなど、社員間で不公平感がまん延し、職場の軋轢を生みやすい状況です。

喫煙ルールを定めない会社は、労働時間管理がいい加減な可能性大です。
社員の申告時間と実際の打刻時間の整合性を確認しない場合、生活残業の温床にもなり得ます。厳しすぎる規制は困りものですが、社員間に不公平感が生じないよう労務管理できているかにも着目しましょう。
職場周りの備品
意外と見逃しがちですが、電子レンジやウォーターサーバー、サーキュレータなど、職場周りの備品の充実度も確認しておきましょう。

備品が充実してない=社員に配慮した職場環境になっていない可能性大。
備品が揃っていても、型式が古かったり壊れていて使用できないような場合は要注意。管理部門による備品管理が行き届いていない、または経費削減で買い替えしていないと考えられます。
些細な部分ですが、経営状況が垣間見えるポイントなので、可能であれば確認しておきましょう。
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特徴と見分け方(企業訪問後)

説明会や面接で企業を訪問した後も情報収集は続けましょう。主なポイントは以下のとおり。
レスポンスのタイミング
会社説明会や面接後、人事担当者からどの位のタイミングで連絡がくるか確認しましょう。
1週間経っても連絡がない場合(選考通過者にのみ連絡する旨を示している場合を除く)、応募者情報の管理が出来ておらず、担当者もいい加減な可能性があります。

メールの返信であれば文面もチェック
誤字脱字が散見されたり、友人にあてたような書き方をしている場合は注意しましょう。入社前にそのような対応をしてくる場合、入社後はさらに粗雑な扱いを受ける可能性があります。
希望と異なる配属提案
書類選考や面接などの結果連絡に際して、希望と違う部署や職種を提案されたら注意しましょう。
何の説明もなく提案だけ押し付けてくる場合、人員配置がいい加減な可能性があります。求職する側としては、つい提案を受け入れたくもなりますが、理由を確認してから回答しましょう。

社員を大事にする会社は、理由を丁寧に説明してくれます。
希望と異なる配属の提案は、選考に僅差で落ちたものの、近しいポジションで別の求人が出ておりかつ適正有と判断された場合にも起こります。
私自身、とある企業の人事部門の採用試験を受けたところ、総務部門への配属を提案された経験があります。「希望と異なる提案=ブラック企業」断定せずに、必ず理由を確認しましょう。
資格証明書の提出要否
採用試験を通過して内定を得た後、自分が保有する資格や検定(業務に関わるもの)について、企業が証明書の提出を求めない場合は要注意。保有スキルのエビデンス提出を求めないのは、人事管理において問題があるからです。

運送業務なのに、運転免許証の提示を求めないのと同じようなもの。
本当にそのスキルを持つ人を採用したかったのか?と疑う余地も出てきますので、企業側の動向に注意しましょう。
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特徴と見分け方(その他)

求人情報のほか、企業の訪問時・訪問後におけるブラック企業の特徴と見分け方を解説しました。
上記の情報からでもブラック企業の特徴はつかめますが、最後にできれば確認しておきたい内容を紹介します。
労働時間の集計単位
できれば確認しておきたい内容の一つが「労働時間の集計単位」。会社説明会や面接の際に、人事担当者へ聞くのがおすすめです。1日の労働時間について「15分や30分単位で集計している」という会社には注意しましょう。

労働時間は本来1分単位の集計です。
15分や30分などの単位で労働時間を集計すれば、企業は余分な労務費(残業代)を削減でき、労働時間管理の簡素化につながりますが、法律上問題があります。
労働基準法は、月30分未満の端数切捨は認めていても、1日単位では認めていないからです。
>>職場のトラブルQ&A ~時間外労働の端数処理~|福井県労働委員会事務局
1分単位以外で労働時間を集計する企業の中には、「業務指示を●●分単位で出しているから、労働時間の端数は生じない」と説明するケースがあります。ですが、15分や30分(10分でも20分も同様)できっかり終わる業務指示などありません
企業の勝手な理屈でサービス残業させられているようなものなので注意しましょう。
36協定の協定値
上述の労働時間に絡めた突っ込んだ内容ですが、「36協定の協定値」も確認したい事項の一つ。
36協定とは、企業が労働者に時間外労働をさせることができる絶対的な上限を定めたものです。時間外労働を行わせる企業(ほぼ全て)であれば、協定を作成して労働基準監督署に届け出ています

36協定の協定値を見れば、時間外労働の実態が把握可能。
通常の時間外労働の上限は、月45時間/年360時間ですが、実は多くの企業がそれを上回ることができるよう、特別条項付きの協定を結んでいます。人事担当者であれば必ず知っている内容なので、面接などで聞いてみるのも手です。
年休の取得状況
社員が年休をどのくらい取得できているかも企業選びの大事なポイント。企業の人員配置や業務配分の適正さを図る指標になります。

労基法39条7項は、年10日以上の年休付与の場合「年5日以上」取得を義務付けています。
違反事業者は対象労働者1人あたり30万円以下の罰金が科される場合もあります。法律が定めた日数はあくまで最低限の取得日数なので、クリアできていない場合はブラック企業の可能性大です。
>>年5日の年次有給休暇の確実な取得 分かりやすい解説(PDF)|厚生労働省
メンタル不調による休職者の有無
メンタル不調による休職者がどのくらい発生しているかも確認しておきたいポイント。
休職者が発生している職場に配属された場合、同様の被害を被る危険性があるからです。過重労働やハラスメントに対する企業の姿勢を見る指標にもなります。

一般的に企業規模が大きくなるほど、休職者比率も上昇します。
以下は厚労省による令和2年の調査で、過去1年間でメンタル不調により休業または退職した労働者の割合を示した図です。連続1か月以上休業した労働者は、事業所規模が大きいほど高い割合となっています。

メンタル不調者の割合が高いほど、ブラック企業の可能性も高くなります。仕事選びで失敗しないためにも、会社説明会や面接で確認することをおすすめします。
休日の連絡有無
細かい点ですが、「休日の連絡有無」も確認しておきたいポイント。スマホやSNSの普及により、上司や部下、同僚と休日に仕事の連絡が取りやすくなっているからです。

休日に仕事の連絡をした場合、本来は「労働」であり賃金が発生します。
それを知ってか知らずか、労務管理の行き届いていない企業では、上司や同僚が休日に仕事上の連絡を取りあうことが常態化していたりします。
企業側もそれを黙認して、本来は労働時間としてカウントして賃金を払うべきなのに、それがなされていないという場合もあります。

会社に申告せず、休日にふらっと職場に立ち寄って仕事する場合も同様。
恒常的に行われている場合は、ワークライフバランスに極めて悪い影響を及ぼす典型的なブラック企業といえるので注意しましょう。
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まとめ
以上、労務管理の観点から注意すべきブラック求人の特徴を解説しました。

紹介した特徴はブラック企業とただちに判定するものではありません。
あくまで判断指標の一つとして、求職活動においては応募先企業の労働条件を把握し、福利厚生面などもふまえて総合的に判断しましょう。
別記事で、企業に退職申出を拒否されるケースと対処法を解説しています。気になる方はこちらもどうぞ。