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社会人として働きながら大学院進学を目指す方はこんな悩みはありませんか?
✔ どの大学院を受けるべきか悩んでいる
✔ 進学先を選ぶ判断基準が知りたい
✔ 各大学院の入試時期を比較したい
そこで本記事では、社会人が大学院を選ぶ上でのポイントを解説します。記事を読むメリットは次のとおりです。
〇 自分が受験すべき大学院がみえてくる
〇 進学先を選ぶための判断基準がわかる
〇 大学院ごとの入試時期を比較できる
具体的には、アドミッションポリシー、教授の顔ぶれ、開講時間など、大学院選びで重要な7つの判断基準を紹介。私自身の大学院進学経験を元にした内容です。社会人として働きながら大学院進学を目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。
\2023年の国内MBA入試合格者数は147名/
大学院選びの重要なポイント
働きながら大学院に進学する社会人の数は年々増加しています。なかでも国内MBA取得を目的としたビジネススクールへ進学する方が多く、仕事と両立ができる夜間開講型のコースに人気が集中。その人気をふまえ、夜間開講型のビジネススクールを設置する大学院も多数あります。
選択肢が多いのはうれしいですが、どの大学院に進学すべきか決めにくいのも事実。そこで大学院での学びを充実させるために、社会人が受験先を選ぶ際の重要なポイントを7つ解説します。
アドミッションポリシー
大学院を目指す際、やりがちなのがネームバリューで進学先を決めることです。「誰もが知っている有名大学院なら間違いない」と考えているのかもしれませんが、実は大きな誤り。大学院進学は「修了資格」を得るだけが目的ではないからです。何を学んで今後のキャリアにどう生かすかが重要になります。
有名大学院に進学したものの、求めていた知識が得られなければ、大学院の2年間が無駄になってしまいます。必要な知識を得てキャリアの可能性を広げるためにも、大学院や研究科の方針、雰囲気を確認することが重要。それを知ることができるのが「アドミッション・ポリシー」です。
アドミッション・ポリシーとは「入学者受け入れ方針」のこと。大学院によっては研究科ごとに設定して公開しているところもあります。アドミッション・ポリシーには、大学側がどんなタイプの人材をどのように育てていきたいかが示されています。大学院設立の精神や目指す方向性も記載されているので、校風やビジョンも確認できます。
進学先のミスマッチ防止にも効果的。
そのほか大学院が公開するポリシーには、「ディプロマ・ポリシー」と「カリキュラム・ポリシー」があります。
【ディプロマ・ポリシー】
修了認定・学位授与に関する方針
【カリキュラム・ポリシー】
教育課程編成・実施の方針
アドミッション・ポリシーを含めた3つのポリシーを確認すれば、大学院や研究科の教育理念がわかります。大学院を選ぶ際は、上記のポリシーを確認して、自分が学びたいことや目指すキャリアとの相性を確認しておきましょう。
志望先の大学院や研究科のポリシーを比較するのがおすすめ。
大学院や研究科ごとに学び方のスタイルや目指す方向性は大きく異なるからです。最初から一校に決め打ちすると、自分が学びたい分野により適した環境を見落とす可能性があります。大学院選びでは、まず複数の大学院や研究科のポリシーを読み込んで、自分が学びたい分野との相性を確認しましょう。
教授陣の顔ぶれ
大学院が目指す教育の方向性と教授陣の顔ぶれはリンクしています。そのため在籍している教授陣をみれば、大学院や研究科の特徴がつかめます。アカデミックな教授が揃っていれば、研究内容を掘り下げて学べ、ビジネス経験豊富な教授が多ければ、実務的な内容を学ぶことができます。
注意すべきは同研究科の教授同士でも専門分野が大きく異なること。
たとえば国際協力分野の研究科では、政治学系と文科系の教授で研究内容がまったく異なります。希望する大学院や研究科に所属する教授が、どの系統に属しているか事前に調べておきましょう。有名大学院に在籍する教授の多くは著作物を出しています。専門分野や研究内容を把握する上でも教授の著作物を読むことをおすすめします。
なお大学院を選ぶ際、特定の教授にこだわりすぎてはいけません。大学院では幅広い知識の習得が求められる場所です。一人の教授に傾倒しすぎると学びの範囲を狭めてしまいます。教授は専門知識を有する一種の教材。ビジネスに役立つ知識を多く得たいなら、さまざまな教授から指導を受けるようにしましょう。
開講時間と授業形態
社会人が大学院を選ぶ上では、授業の開講時間も重要なポイント。今の職場を辞めるか否かに直結するからです。社会人が大学院へ進学する際は、次のいずれかのパターンを選ぶ形になります。
・夜間開講制(平日夜間および休日)
・全日制(平日昼間)
・昼夜開講制(上記の両方)
修士課程に通う場合、会社を2年間休職できるなら「全日制」や「昼夜開講制」に通えます。しかしそうでない場合は「夜間開講制」を選びます。夜間開講制の大学院は、平日夜間と土曜(大学院によって日曜も)に授業を行っているので、会社を辞めずに進学できます。そのため大半の社会人は「夜間開講制」を選択しています。
また社会人にとっては大学院の授業形態も重要な判断材料。仕事の都合によって通学が難しい時もあるからです。たとえばオンライン授業に対応していれば、急な出張が入っても出先で講義を受けられます。オンデマンド授業なら空いた時間に視聴できるので、仕事が忙しく決まった時間に講義を受けられない方でも学習を継続できます。
授業形態の確認には、大学院のHPで公開されているシラバスを見るのがおすすめ。開講している科目はもちろん、教科書や授業の進め方、評価方法まで記載されています。レクチャー中心かディスカッション中心か、オンラインか対面か、レポート提出や試験か、より具体的な履修イメージをつかむのに役立ちます。
キャンパスの立地と施設環境
大学院を選ぶ際は、キャンパスの立地と施設環境についても確認しましょう。職場や自宅からキャンパスまでの物理的な距離は、学習の継続可能性に直結するからです。「夜間開講制」の大学院における平日の授業は、おおむね18時~19時の間にスタートします。
終業時刻(定時)が18時の会社に勤務する方で、平日の授業開始が18時30分の場合、職場から30分以内で通える立地でないと授業開始に間に合いません。ちなみに、平日夜間の授業時間は2コマで3時間程度。授業終了は21時~22時になります。
帰宅後も授業の復習や予習で、すぐに就寝とはいきません。
修士課程では毎週、レポート作成や論文要約などの課題が課されるため、平日は4~5時間しか睡眠がとれない日もしばしば。そのため社会人が大学院に通う上で、キャンパスの立地はとても重要です。無理なく学習を継続できるよう、職場や自宅から30分~1時間以内で通える立地の大学院をおすすめします。
また大学院では、学術論文や参考文献の資料を集めやすい環境であることもポイント。
特に大学図書館の充実度(所蔵する資料の質や量)を確認しましょう。都心部にサテライト校舎があることを売りにする大学院もありますが、研究に使用するのに十分な著書や資料があるとは限りません。自習室や学生同士でディベートできる個室の有無も要確認。施設環境の充実度も大学院選びの重要なポイントです。
別記事で大学院ごとの開講時間やキャンパスの立地を解説しています。気になる方はこちらの記事をご覧ください。
ゼミの運用方法
大学院で学ぶ醍醐味の一つが「ゼミ」です。個々の学生に担当教授がついて指導するのが一般的。それぞれのテーマに沿って研究し、発表や討論を重ねて内容を深めていきます。大学院修了まで、担当教授と二人三脚で研究を進めるため、ゼミの運用方法は大学院選びの重要なポイントです。
ゼミを採用する大学院は、運用方法が大きく2つ分かれます。
【ゼミの運用方法】
・修士1年次に振り分けられる
・修士2年次から選択できる
学びたい分野や研究テーマが明確に決まっている場合は、1年次からゼミで学ぶほうがよいです。一方、大学院である程度学んでから研究テーマを決めるなら、2年次でゼミを選択するほうがミスマッチを防げます。ただし人気教授のゼミは抽選となったり、学生から希望を出すことができなかったりする場合もあるので注意しましょう。
修士論文を書くには、ゼミに入って教授の指導を受けなければなりません。ゼミの人数は最大6人が目安。それ以上の場合、「課題研究」や「ビジネスプラン」の提出を修了要件とするケースが多いです。修士論文に注力したい場合は人数の少ないゼミがおすすめ。教授からきめ細かな指導を受けられます。
【少人数のゼミ】
・教授との接点が近い
・アカデミックな研究が中心
・専門性を追求できる
【大人数のゼミ】
・ゼミ生同士の交流が盛ん
・より実務的な研究が中心
・ディスカッションが深まる
ゼミを自分で選択できる場合は、教授の専門分野と自分が学びたい分野が合っているかも確認しましょう。ゼミの開催頻度や個人面談の機会がどの程度あるのかも重要な判断材料になります。
修了要件と博士課程の有無
大学院の修了要件は進学先を選ぶ上での最重要ポイントの一つ。修了要件が「修士論文」の場合、かなりの時間と労力を要するため、入学には相応の覚悟が求められます。研究テーマの追求、論文特有の書き方、文字数の多さと論文執筆に苦労する社会人は後を絶たないからです。
修士論文以外の修了要件は、大学院や研究科により以下4つに分かれます。
修士論文 | ・研究成果を発表するための学術論文 ・口頭試問や発表審査を経て合格となる |
ビジネスプラン | ・MBAなど専門職大学院に多い ・事業の内容や目標、達成プランを構築 |
課題研究 | ・特定の課題に対し、解決に向けた調査研究を行う ・実務的な内容をまとめ、研究成果として発表する |
事例研究 | ・企業が抱える問題点など、実際の事例を元に分析 ・肯定もしくは反証してまとめる |
大学院や研究科の特色により、アカデミック系は「修士論文」、実務系は「ビジネスプラン」や「事例研究」を求めるケースが多いです。より実務に即した教育を目指す専門職大学院では、学生の状況に応じた内容になる場合もあります。修了要件に悩む場合の一つの判断指標がこちら。
・知識や研究を深めたい→修士論文
・仕事に直接活かしたい→それ以外
上記を目安に、大学院修了後のキャリアプランを考慮して選択するのがおすすめ。博士(後期)課程へ進学を考える場合は「修士論文」一択です。
同時に博士(後期)課程の有無も確認しておきましょう。
修士課程で研究の面白さに惹かれ、修了後も博士課程に進み研究を続けたいという方が一定数いるからです。もし在籍中の大学院に博士課程がない場合、他の大学院を受験しなければなりません。慣れ親しんだ恩師と別れ、別の教授と一から人間関係を作っていく必要があります。相性の良い教授と巡り合えるとも限りません。
大学院の修了要件と合わせて、博士(後期)課程の有無についてもリサーチしておきましょう。
入試時期
社会人が大学院を選ぶ際のポイント7つ目は入試時期です。受験する大学院や研究科によって色々なパターンがあります。以下の表は、本サイトで紹介する「夜間開講型」の大学院17校の入試時期一覧です。
大学院名 | 研究科 (専攻) | コース (プログラム) | 入試 回数 | 入試時期 | 出願期間 | 入学 時期 |
---|---|---|---|---|---|---|
一橋大学大学院 | 経営管理 (経営管理) | 経営学修士コース ・経営管理プログラム ・金融戦略・経営財務プログラム | 年2回 | 第1期(1次:10月、2次:11月) 第2期(1次:2月、2次:2月) | 第1期:9月下旬 第2期:1月中旬 | 4月 |
筑波大学大学院 | 人文社会ビジネス科学 (ビジネス科学) | 経営学学位プログラム | 年1回 | 11月中旬 | 9月下旬~10月上旬 | 4月 |
横浜国立大学大学院 | 国際社会科学府 (経営学) | 社会人専修コース (MBAコース) | 年1回 | 第1次選抜(11月中旬) 第2次選抜(11月下旬) | 10月中旬~下旬 | 4月 |
埼玉大学経済経営系大学院 | 人文社会科学 (経済経営) | 経済経営コース | 年2回 | 第1期(10月) 第2期(2月) | 第1期:8月下旬~9月上旬 第2期:2月中旬 | 4月 |
神戸大学専門職大学院 | 経営学 (現代経営学) | 専門職学位課程 (MBAコース) | 年1回 | 第1次選考(1月初旬) 第2次選考(1月下旬) | 11月初旬~中旬 | 4月 |
九州大学大学院 | 経済学府 (産業マネジメント) | 専門職学位課程 | 年1回 ※特別選抜は除く | 10月下旬(2次試験) ※1次試験は書類審査のため省略 | 9月下旬~10月上旬 | 4月 |
東京都立大学大学院 | 経営学 (経営学) | 経営学プログラム | 年2回 | 第1期(9月) 第2期(2月) | 第1期:7月下旬 第2期:1月上旬 | 4月 |
兵庫県立大学大学院 | 社会科学 (経営専門職) | 地域イノベーションコース | 年3回 | ・11月 ・1月 ・3月 | 11月入試:10月下旬 1月入試:12月下旬~1月上旬 3月入試:2月初旬~中旬 | 4月 |
早稲田大学大学院 | 経営管理 | 夜間主総合プログラム | 年2回 | 【秋募集】 1次試験:10月下旬 2次試験:11月下旬 【冬募集】 1次試験:1月下旬 2次試験:2月下旬 | 秋募集:9月下旬~10月初旬 冬募集:12月中旬~12月下旬 | 4月 |
明治大学専門職大学院 | グローバル・ビジネス (グローバル・ビジネス) | 専門職学位課程 | 年3回 | 【4月入学の場合】 Ⅰ期:11月 Ⅱ期:2月 【9月入学の場合】 7月 | 【4月入学】 Ⅰ期:10月初旬~中旬 Ⅱ期:1月中旬 【9月入学】 6月中旬~下旬 | 4月 9月 |
青山学院大学大学院 | 国際マネジメント (国際マネジメント) | 専門職学位課程 (イブニングコース) | 年3回 | 第1回:10月 第2回:12月 第3回:2月 | 第1回:9月初旬~中旬 第2回:10月下旬~11月上旬 第3回:1月初旬~中旬 | 4月 |
立教大学大学院 | ビジネスデザイン (ビジネスデザイン) | 博士課程前期課程 | 年2回 | 秋季:9月 春季:2月 | 秋季: 8月中旬~下旬 春季:10月初旬~中旬 | 4月 |
中央大学大学院 | 戦略経営 (戦略経営) | MBAコース | 年4回 | 【4月入学の場合】 1期:11月 2期:1月 3期:2月 【9月入学の場合】 7月 | 【4月入学】 1期:10月中旬~下旬 2期:12月中旬~1月中旬 3期:1月下旬~2月上旬 【9月入学】 7月上旬~中旬 | 4月または9月 |
法政大学大学院 | 経営学 (経営学) | 夜間コース | 年2回 | 第1回:11月 第2回:2月 | 第1回:10月中旬~下旬 第2回:1月中旬 | 4月 |
関西学院専門職大学大学院 | 経営戦略 (経営戦略) | 企業経営戦略コース | 年3回 | 秋学期入学:7月 春学期入学(第1次):11月 春学期入学(第2次):2月 | 秋学期入学:6月初旬~中旬 春学期入学(第1次):11月初旬 春学期入学(第2次):1月中旬~下旬 | 4月または9月 |
同志社大学大学院 | ビジネス (ビジネス) | 専門職学位課程 | 年2回 ※企業・団体等の 推薦入試は年3回 | 秋季:9月 春季:2月 ※企業・団体等の 推薦入試は冬季(11月)有 | 秋季:7月下旬~8月上旬 春季:1月初旬~中旬 ※冬季(11月)入試は9月下旬~10月上旬 | 4月 |
立命館大学大学院 | 経営管理 (経営管理) | マネジメントプログラム | 年3回 | ・9月 ・11月 ・2月 | 9月実施:7月中旬~下旬 11月実施:10月中旬~下旬 2月実施:1月中旬~下旬 | 4月 |
大学院入試は、秋(9~11月)と冬(1~2月)の年2回。9月入学がある場合は、夏(7月頃)に入試を行う大学院もあります。そのうち社会人を対象とする入試は週末に行われるのが一般的です。1次は論述、2次で面接と試験日を分ける場合も多く、秋か冬どちらか一方のみ受験する場合、併願できる大学院は3~4校に絞られます。
なお大学院入試の出願準備は、思いのほか時間がかかります。秋入試を目指す場合、その年の4~5月頃から必要書類の準備(研究計画書の作成や卒業証明書の取寄せ)をはじめつつ、入試対策に取り掛かることをおすすめします。
別記事で大学院入試の出願準備について解説しています。気になる方はこちらをご覧ください。(準備中)
まとめ
以上、社会人が大学院を選ぶ際のポイントを解説しました。国内MBAや学び直し、リスキリングを目的に大学院を目指す方は増えています。それに伴い、社会人向けカリキュラムを提供する大学院も多数あります。進学を検討する際は、修士課程の2年間を無駄にしないよう、学ぶ目的や将来のキャリアプランに合った大学院を選びましょう。
\2023年の国内MBA入試合格者数は147名/
社会人向け大学院の学費相場や支援制度について知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。