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企業の労務部門で働く方は、仕事でこんな悩みはありませんか?
✔ 労務に関して職場で詳しい人がいない
✔ 前任者からの引継ぎでは知識が不十分
✔ 専門知識の不足で仕事が後手にまわる
そこで本記事は労務のおすすめ資格16選を紹介!記事を読むメリットは次のとおりです。
〇 自らが労務に精通するきっかけになる
〇 労務業務に対応するヒントが見つかる
〇 労務の専門知識を学べる資格が分かる
筆者の資格学習と実務経験を元に、業務に役立つおすすめ資格と対応業務を解説します。
10年以上の実務経験を踏まえた内容なので、企業の労務部門で働く方やこれから労務を目指す方はぜひ参考にしてみてください。
労務におすすめの資格16選
労務の資格と一口にいってもそのバリエーションは様々。そこで本記事では労務におすすめの資格16選を、国家資格・公的資格・民間資格の3つの種別に分類しました。
①国家資格…国が認めた資格
②公的資格…各省庁などが後援する資格
③民間資格…企業が独自に設けた資格
以下、種別を分けて資格名称をもとに五十音順に紹介していきます。
労務におすすめの国家資格
国家資格とは、国の法律に基づいて各種分野における個人の能力・知識が判定される資格です。法律によって社会的地位や信頼性が担保されており、高い権威性と抜群の認知度をそなえてます。
国家資格のなかで、企業の労務部門で働く方におすすめの資格は次の3つです。
衛生管理者
労務におすすめの国家資格1つ目は衛生管理者。労働安全衛生法に定められた国家資格で、主催団体や主な受験者は以下のとおりです。
名称 | 衛生管理者 |
種別 | 国家資格 |
主催団体 | 公益財団法人 安全衛生技術試験協会 |
級・種 | 第一種・第二種 |
主な受験者 | ・安全衛生に携わる仕事に就いている方 ・人事労務担当者でキャリアアップしたい方 ・衛生管理に関する知識を身につけたい方 |
衛生管理者は第一種と第二種に分かれており、勤務先の業種に応じて受験する種別が異なります。
種別 | 衛生管理者が対応できる業種 |
---|---|
第一種 | すべての業種 |
第二種 | 情報通信業、金融・保険業、卸売・小売業など (有害業務と関連の少ない一定の業種のみ) |
なお、労務に衛生管理者を勧める理由は「業務独占型」の資格だからです。職場で衛生管理業務従事者として働くには、衛生管理者資格が必須となります。
常時50人以上の労働者を使用する事業場は、有資格者の中から衛生管理者を選任し、衛生事項を管理させることが法律で義務付けられています。そのため衛生管理者の有保有者は、企業にとって欠かせない人材。労務部門では以下の場面で活躍できます。
〇 職場における作業環境管理
〇 労働者の危険や健康障害の防止措置
〇 労働者の安全衛生に関する教育研修
〇 労働者の健康の保持増進に関する措置
〇 労働災害の原因調査と再発防止…etc.
労務として働きたい方にとっては、社内の配置転換や定期異動において有利に働く可能性もあります。(独)労働政策研究・研修機構による「企業における資格・検定等の活用に関する調査」では、衛生管理者資格を有する者を「配置・異動において考慮する」と回答した企業は30%超。企業の有資格者重視が伺える、おすすめの資格です。
労働政策研究・研修機構による調査の詳細は、こちらの記事からどうぞ。
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社会保険労務士
労務におすすめの国家資格2つ目は「社会保険労務士」。社会保険労務士法に基づいた国家資格で全国社労士会連合会が主催団体となります。
名称 | 社会保険労務士 |
種別 | 国家資格 |
主催団体 | 全国社会保険労務士会連合会 |
級・種 | なし |
主な受験者 | ・人事や労務部門でキャリアアップしたい方 ・行政書士やFPの合格者でWライセンスを目指す方 ・労働法全般の知識を身につけたい方 |
労務部門で働く方に社労士を勧める理由は、人の専門家として活躍できる資格だからです。企業経営の4大要素である「人・物・金・情報」のうち「人」のエキスパートとして以下の業務でスキルを発揮します。
<社労士のスキルを活かせる場面>
✔ 就業規則や労使協定の作成及び締結
✔ 社員の勤怠管理
✔ 労働保険と社会保険の各種手続き
✔ 雇用契約の管理及び更新
✔ 労務トラブル発生時の対応…etc.
試験対策では、労働基準法や労働安全衛生法をはじめ、広範な分野を学習。
<社労士の試験科目>
・労働基準法および労働安全衛生法
・労働者災害補償保険法
・雇用保険法
・労務管理その他労働に関する一般常識
・社会保険に関する一般常識
・健康保険法
・厚生年金保険法
・国民年金保険法
労働法全般の知識を習得できるため、労務管理上の問題提起や改善策の提案、人事制度の企画立案を担うなど、労務の主軸として活躍できます。(独)労働政策研究・研修機構による「企業における資格・検定等の活用に関する調査」でも、管理事務部門の50%超が社労士資格を重視すると回答。労務担当者にぜひ挑戦してほしい資格です。
なお、労働政策研究・研修機構による調査結果の詳細を知りたい方は以下の記事をご覧ください。
\令和5年度の合格率は全国平均の4.5倍/
ITパスポート
労務におすすめの国家資格3つ目はITパスポート(通称iパス)です。情報処理技術者試験の一試験区分で、「情報処理の促進に関する法律」に基づく国家資格として、ITに関する基礎的な知識を証明できます。
名称 | ITパスポート |
種別 | 国家資格 |
主催団体 | 独立行政法人 情報処理推進機構 |
級・種 | なし |
主な受験者 | ・企業の情報システム部門で働く方 ・業務でITを利活用するすべての社会人 ・就職活動を控える学生 |
企業の労務部門で働く方にITパスポートを進める理由は以下のとおりです。
〇 ITツールを効率的に使用できる
〇 セキュリティに関する知識が身に付く
〇 社内のIT化を推進できる
具体的には、勤怠管理システムなどの円滑な利用や企業秘密や個人情報の漏洩防止、ITに関する社員教育や研修といった業務に活かせます。
なお、ITパスポートの試験では、AI・ビッグデータ・IoT などの新技術に関する内容をはじめ、ITに関するセキュリティやネットワークといった幅広い知識が問われます。経営全般(経営戦略、マーケティング、財務、法務など)やプロジェクトマネジメントに関する出題も含まれるなど、ITを通じてビジネスの総合的知識を養える資格です。
そのため労務部門をはじめ、ITを活用する社会人やこれから就職活動を控える学生にもピッタリの資格!業種・職種を問わず、ITの高度化に対応できる「IT力」を身に付ける上でも、ITパスポート取得をおすすめします。
\令和5年度のITパスポート合格者数800名超/
労務におすすめの公的資格
公的資格とは、民間団体や公益法人等が実施し、文科省や経産省などの官庁が後援する資格です。昔は社会的に奨励すべきとして国などが認定する資格(民間技能審査事業認定制度に基づいた資格)が公的資格とされていました。
しかし、2005年に民間技能審査事業認定制度による資格の認定が廃止。
それ以降は日商簿記・英検・販売士など、公的機関の後援を受ける資格が公的資格という位置付けになっています。本記事で取り上げる、企業の労務部門で働く方におすすめの公的資格は次の3つです。
日商簿記検定
労務におすすめの公的資格1つ目は「日商簿記検定」。会社やお店のお金の流れを帳簿に記録するためのルールを学べる資格です。簿記の知識は「ビジネスの共通語」と言われ、社会人が持っておくべき必須スキルになります。
名称 | 日商簿記検定 |
種別 | 公的資格 |
主催団体 | 日本商工会議所・各地商工会議所 |
級・種 | 1級・2級・3級 |
主な受験者 | ・企業の経理や会計担当者 ・コスト管理が求められる部門で働く方 ・ビジネスに携わる社会人全般 |
労務部門で働く方へ日商簿記検定を勧める理由は以下のとおりです。
〇 企業の経営状況を把握できる
〇 各部門の費用や収益率を分析できる
〇 コスト意識をもって業務に臨める
労務部門は法改正や社会情勢の変化に伴い、就業規則や人事制度の見直しを行っています。たとえばテレワーク導入時にネット環境整備の手当を支給する一方で通勤手当を減らすなど、徒にコストが増加しないよう様々な試算を実施するなど、経営上のコストインパクトを試算する際に簿記の知識が役立ちます。
そのほか、事業計画の策定や人員計画の見直しにも活かせるなど、コスト管理が求められる部署で働く方にピッタリの資格です。
日商簿記検定の各級のレベルは以下のとおり。
級 | 1級 | 2級 | 3級 |
---|---|---|---|
出題範囲 | ・商業簿記、会計学 ・工業簿記、原価計算 | ・商業簿記 ・工業簿記 | ・商業簿記 |
求める レベル | 会計基準や会社法、 財務諸表等規則など 企業会計関連の法規 を踏まえ、経営管理 や分析ができる。 | 財務諸表から経営 内容を把握し企業 活動や会計実務を 踏まえ適切に処理 や分析ができる。 | 小規模企業における 企業活動や会計実務 を踏まえ、経理関連 書類の適切な処理が できる。 |
主な受験 対象者 | ・公認会計士または 税理士を目指す方 | ・経理や会計担当者 ・管理部門で働く方 | ・社会人全般 |
労務部門の担当者は、高いコスト意識が求められる観点から日商簿記2級を目指しましょう。
\令和5年度の合格者数は1,300名以上/
ビジネス実務法務検定
労務におすすめの公的資格2つ目は「ビジネス実務法務検定」。東京商工会議所が主催する資格で、ビジネス全般の契約ごとに不備がないかチェックし、トラブルを未然に防ぐための知識を学べます。
名称 | ビジネス実務法務検定 |
種類 | 公的資格 |
主催団体 | 東京商工会議所 |
級・種 | 1級・2級・3級 |
主な受験者 | ・仕事上、契約関連業務に携わる方 ・就職や転職に向け、スキルアップしたい方 ・ビジネス関連の法律知識を身につけたい方 |
労務部門で働く方にビジネス実務法務検定を勧める理由は、ビジネス上の契約を円滑に進めたり、労務トラブルの防止に活かせたりするからです。
具体的には次のような場面でスキルが役立ちます。
✔ 法に則った労働契約の締結・更新
✔ 労働組合との労使協定の締結
✔ 労務トラブルの予防的措置
近年、企業で不祥事が発生すると社会的に厳しいペナルティーを受ける傾向にあります。とりわけ法規対応業務が大半を占める労務部門は、リスク回避の観点からもビジネス実務法務検定の受験をおすすめします。
ビジネス実務法務検定の級とレベルは以下のとおりです。
級 | 1級 | 2級 | 3級 |
---|---|---|---|
対象者 | ・企業の法務や総務の責任者 ・担当役員 ・弁護士や司法書士等の専門家 | ・企業の管理職 ・法務や総務、労務部門 ・コンプライアンス担当者 | ・ビジネスパーソン全般 ・就職活動中の学生 |
受験基準 | 業務に必要な法律知識をビジネス全般にわたって持ち、 多面的な観点から判断・対応ができる。 (実務面でのアッパーレベルを想定) | 実務経験があり、弁護士など専門家へ相談対応ができ、 質的・量的な法律知識を有している。 (知識面でのアッパーレベルを想定) | ビジネスパーソンが理解すべき基礎的法律知識を有し、 問題点の発見ができる。 (知識面での基礎レベルを想定) |
合格者の称号 | ビジネス法務エグゼクティブ® | ビジネス法務エキスパート® | ビジネス法務リーダー® |
労務担当者は、法規対応や労務トラブルにおいて弁護士や社労士など外部専門家との連携が求められるため、ビジ法2級を目標にしましょう。
\令和5年度のビジ法合格者数は220名超!/
メンタルヘルス・マネジメント検定
労務におすすめの公的資格3つ目は、「メンタルヘルス・マネジメント検定」。大阪商工会議所が主催し、社員の心の不調防止や活力ある職場の構築など、企業のメンタルヘルスケアの在り方を学べる資格です。
名称 | メンタルヘルス・マネジメント検定 |
種類 | 公的資格 |
主催団体 | 大阪商工会議所、施行商工会議所 |
級・種 | Ⅰ種・Ⅱ種・Ⅲ種 |
主な受験者 | ・企業の管理職 ・安全衛生やメンタルヘルス関連の担当者 ・メンタルヘルスの知識を身につけたい方 |
近年、仕事による強いストレスが原因でメンタル不調をきたす社員は増えています。メンタル不調者の発生は、職場の生産性低下や人材流出などの経営リスクにつながるため企業の対策は急務。社員自身のセルフケアも含め、メンタルヘルスに精通した人材が求められています。
勤怠管理を担う労務担当者には、ぜひ取得してもらいたい資格です。
具体的には、以下の業務に役立てられます。
✔ 自社のメンタルヘルスケア計画の策定
✔ メンタルヘルスに関する教育や研修
✔ メンタルに不調をきたした社員の対応
✔ 休職している社員の復職サポート
✔ 産業保健スタッフや専門機関との連携
メンタルヘルス・マネジメント検定は、レベルに応じてⅠ種・Ⅱ種・Ⅲ種の3コースを設定。
項目 | Ⅰ種 (マスターコース) | Ⅱ種 (ラインケアコース) | Ⅲ種 (セルフケアコース) |
---|---|---|---|
対象 | ・人事労務管理スタッフ ・経営幹部 | ・管理監督者(管理職) | ・一般社員 |
目的 | 社内のメンタルヘルス対策の推進 | 部門内、上司としての部下の メンタルヘルス対策の推進 | 組織における従業員自らの メンタルヘルス対策の推進 |
到達 目標 | 自社の人事戦略・方針を踏まえ、 以下の対応ができる。 ・メンタルヘルスケア計画 ・産業保健スタッフや専門機関との連携 ・教育や研修に関する企画、立案、実施 | 部下が不調に陥らないよう配慮し、 部下に不調が見受けられた場合に 安全配慮義務に則って対応できる。 | 自らのストレスの状況・状態を把握し、 不調に早期に気づき、自らケアを行い、 必要であれば助けを求めることができる。 |
労務担当者は社内のメンタルヘルス対策の舵取りを担うため、まずはⅡ種(ラインケアコース)を取得し、最終的にはⅠ種(マスターコース)を目指しましょう。
\スタディングのⅡ種合格者数は累計200名超/
労務におすすめの民間資格
民間資格は、財団法人や社団法人などの民間団体が独自に定めた基準に基づき、一定の能力や知識を証明する資格です。
国家資格及び公的資格以外のすべての資格が該当します。
国の法律に基づいた資格でない一方、社会的なニーズに合わせて自由に作ることができる強みが特徴。本記事で取り上げるおすすめの民間資格は次の11個です。
個人情報保護士
労務におすすめの民間資格1つ目は「個人情報保護士」。全日本情報学習振興協会が主催し、個人情報保護の専門知識を駆使し、個人情報の運用管理を適切に行える専門家です。令和5年3月の試験で第70回(資格発足から17年)を数え、これまで延べ20万人以上が受験し、70,000人以上が個人情報保護士として認定されています。
名称 | 個人情報保護士 |
種類 | 民間資格 |
主催団体 | 一般財団法人 全日本情報学習振興協会 |
級・種 | なし |
主な受験者 | ・社員の個人情報などを管理する部門 ・顧客などの個人情報を扱う担当者 ・個人情報保護の知識を身につけたい方 |
2005年4月の個人情報保護法施行以来、個人情報保護の重要性は広がりを見せており、2015年の法改正(2017年5月施行)で全事業者が個人情報保護法の対象となったことを機にその機運は一層高まりました。
加えてビックデータの活用やGDPR(EU一般データ保護規則)によって、国際的に個人情報を扱う知識が求められるなど個人情報保護の知見はもはや必須。企業において個人情報や機密情報を数多く扱う労務担当者にとっても、なくてはならないスキルとなっています。
労務部門では次の場面で活かせます。
✔ 社員入社時の個人情報の収集
✔ 有期労働契約などの締結・更新
✔ 引越しや結婚に伴う人事情報の変更
✔ 給与事務で使用するマイナンバー管理
✔ 業務で知り得た機密情報の管理…etc.
また個人情報保護士は、企業によって受験が推奨される人気が高い資格でもあります。個人情報の運用・管理を適切に行い、業務上の個人情報漏洩リスクを減らす上でも、労務部門の担当者はぜひ取得しておきましょう。
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雇用クリーンプランナー
労務におすすめの民間資格2つ目は「雇用クリーンプランナー」。一般社団法人クレア人財育英協会が主催する、労働法・労務・ハラスメントリテラシーの学習を通じて、企業内の労働トラブルやハラスメントを未然防止するための資格です。
名称 | 雇用クリーンプランナー |
種類 | 民間資格 |
主催団体 | 一般社団法人 クレア人財育英協会 |
級・種 | なし |
主な受験者 | ・社内体制の整備及び構築に関わる方 ・ハラスメントの相談対応に携わる方 ・部下をもつ管理職やリーダー… |
ハラスメントを巡るトラブル件数の増加、国による厳罰化の流れ(罰金などの制裁措置)、ハラスメント相談窓口設置義務の対策強化と、令和はハラスメントと向き合う時代だと言われています。そんな中、国内発のパワハラ対策資格として誕生したのが「雇用クリーンプランナー」です。
ハラスメントリテラシーを⾝につけたプロとして、社内体制の整備・構築、従業員の相談対応、問題解決の⽀援まで幅広い対応が可能。社内のハラスメント対策を担う労務部門の担当者におすすめの資格です。
受講から資格取得までの流れは以下のとおり。
〇集中7日間特訓講座(6時間)
⇩
〇ハラスメント編講座(7時間)
⇩
〇労務トラブル編講座(8時間)
⇩
〇最終テスト
⇩
〇合格、資格付与
受講から最終テストまで、すべてオンライン上で完結。スマホでも受講できるので、自分が都合のよいタイミングで学習できます。全30講義(計21時間)で、受講可能期間は最長6か月間。平均終了期間は1か月となっています。
資格取得後も、雇用クリーンプランナー取得者向けのYouTubeチャンネル【資格でパワハラ対策ch】にて、ハラスメントや労働トラブルに関する事例、最新の法改正情報を学習可能とアフターフォローもばっちり。ハラスメント対応に悩む労務担当者や管理職の方はぜひ受講してみましょう。
\オンラインで受講!雇用クリーンプランナー/
人事総務検定
労務におすすめの民間資格3つ目は「人事総務検定」。人事総務スキルアップ検定協会が主催しており、労務や人事、総務などの管理部門の業務に必要な基礎的知識と実践的なスキルを学ぶことができる資格です。
名称 | 人事総務検定 |
種類 | 民間資格 |
主催団体 | 一般社団法人 人事総務スキルアップ検定協会 |
級・種 | 1級・2級・3級 |
主な受験者 | ・人事や総務担当者でキャリアアップを目指す方 ・人事総務を目指す方でスキルを身につけたい方 ・労務管理の幅広い知識を身につけたい方 |
なお、人事総務検定をお勧めする一番の理由は「資格取得までの速さ」。人事総務検定の2級と3級は、LECが開講する「特別認定講習」を受講すれば取得できます。急な異動や配置転換で労務部門に配属された場合など、早急に労務のスキルを身に付けたい方にもピッタリです。
人事総務検定2級及び3級の特別認定講習の内容は以下のとおり。
人事総務検定2級
(人事総務エキスパート)
全4回:2時間30分×4回
※()は取得することで使用できる名称
講習 回数 | 人事総務検定2級 講義内容 |
---|---|
第1回 | 労務管理に関する法律知識および 人事書式、労使協定、就業規則の作成① 1.採用・入社・試用期間 2.人事異動・休職・復職・退職 3.労働時間・休日・休暇 |
第2回 | 労務管理に関する法律知識および 人事書式、労使協定、就業規則の作成② 4.給与・賞与・退職金 5.服務規律・懲戒処分 6.非正規雇用従業員 7.職場の安全衛生、メンタルヘルス、ストレスチェックなど 8.就業規則等 |
第3回 | 従業員に関する労働保険・社会保険手続き(給付編) 1.労災保険の手続き 2.傷病に関する健康保険の手続き 3.雇用継続給付及び育児休業給付 4.従業員の死亡・出産に関する手続き |
第4回 | 労働保険・社会保険の定例業務(手続編) 1.社会保険料の算定処理 2.労働保険の基礎 |
人事総務検定2級は、労務管理に必要な法律知識と具体的な業務内容と手続きを学べます。
人事総務検定3級
(人事総務リーダー)
全2回:2時間30分×2回
※()は取得することで使用できる名称
講習 回数 | 人事総務検定3級 講義内容 |
---|---|
第1回 | 1.人事総務の主な仕事内容 2.労働保険・社会保険の仕組み 3.労働保険・社会保険の新規適用手続き |
第2回 | 4.従業員の採用の手続き 5.従業員の退職の手続き 6.給与計算に関する基礎知識 7.個人情報、マイナンバーの基礎知識 |
人事総務検定3級では、労働保険(労保・雇保)と社会保険(健保・国年・厚年)の全体像、雇用契約、給与計算など、労務部門に欠かせない基礎知識を学習します。
人事総務検定2級と3級両方を受講することで、従業員の入社から退職に至るまでの各種手続きや労働時間管理、就業規則の作成に至るまで、労務に必要なスキルをまんべんなく習得できます。
学習内容が社労士と重複しているのも人事総務検定のポイント。
労働基準法や労働安全衛生法をはじめ、労災保険、雇用保険、健康保険、厚生年金、国民年金と社労士の試験分野を網羅的に学習できるので、社労士受験を検討している方にもおすすめ。労務に必要なスキルを早急に習得したい方や社労士受験に向けて弾みをつけたい方は、ぜひ人事総務検定を取得しましょう。
\LECの特別認定講習受講で取得できる/
人事総務検定・給与計算技能
労務におすすめの民間資格4つ目は「人事総務検定・給与計算技能」です。企業における給与計算業務に特化した検定で、給与計算に必要な基礎知識と業務上の流れ、年末調整、入退職手続きなどの付帯業務までを網羅的に学ぶことができます。
名称 | 人事総務検定・給与計算技能 |
種類 | 民間資格 |
主催団体 | 一般社団法人 人事総務スキルアップ検定協会 |
級・種 | 1級・2級・3級 |
主な受験者 | ・人事や労務など、給与計算の担当者 ・人事総務の事務スキルを身につけたい方 ・給与、社保、税の知識を身につけたい方 |
上記で紹介した人事総務検定と同様、給与計算技能についても、2級と3級はLECの特別認定講習を受講すれば取得可能。給与計算に必要な知識を短期間で習得できるため、急な配置転換や異動などで早急に給与計算技能を習得したい方におすすめします。
給与計算技能の特別認定講習の内訳は以下のとおりです。
人事総務検定・給与計算技能2級
対象者:労働法規の基礎知識を有する方
└管理部門の担当者や社労士初学者など
講習時間:2時間30分×2コマ
人事総務検定・給与計算技能3級
対象者:人事総務の業務を把握したい方
└管理部門の担当者または転職希望者など
講習時間:2時間30分×1コマ
IT化が進んだ現在においても、給与計算技能は業種を問わずに求められる汎用的なスキルです。給与計算自体はソフトが処理しても、正確な賃金計算や税および保険料などの付帯業務を行う上で担当者の知識は必須だからです。就職や転職活動時に保有スキルとしてもアピールできるので、管理部門を目指す方はぜひ取得しておきましょう。
\LECの特別認定講習受講で取得できる/
年金アドバイザー
労務におすすめの民間資格5つ目は「年金アドバイザー」。銀行業務検定協会が主催する民間資格で、金融機関に勤める方を主な対象としており、年金に関する専門知識と実践力がつく資格です。
名称 | 年金アドバイザー |
種類 | 民間資格 |
主催団体 | 銀行業務検定協会 |
級・種 | 2級・3級・4級(1級はなし) |
主な受験者 | ・金融機関に勤務する方 ・社労士やFP資格保持者でWライセンスを目指す方 ・企業の給与計算や年金の担当者 ・年金に関する知識を身につけたい方 |
金融機関に勤務する方向けの資格ですが、実は一般企業で働く方にもおすすめ。入退職に伴う厚生年金の加入脱退や給与と年金の相談対応など、管理部門を中心に年金の知識は必須だからです。
具体的には以下の業務に役立ちます。
〇 入退職時における厚生年金の手続き
〇 給与業務における社会保険料の控除
〇 年金に関する従業員からの相談対応
〇 年金と給与の併給調整
〇 高齢社員の賃金制度見直し…etc.
なお、年金アドバイザーはレベルに応じて2級~4級(1級は無し)が設けられており、対象者やレベルは以下のとおりです。
級 | 2級 | 3級 | 4級 |
---|---|---|---|
対象者 | ・年金専担者 | ・渉外担当者 ・窓口担当者 | ・渉外担当者 ・窓口担当者 |
求める レベル | ・年金や公的保険に関する顧客相談 ・内部研修や指導に応じられる実践的な知識 | ・年金に関する基礎知識 ・顧客の年金相談に応じられる実践力 | ・年金に関する基礎的知識 |
とりわけ年金アドバイザー3級は、金融機関の窓口・渉外業務担当者の取得が奨励されているほか、昇進・昇格の条件になっているため人気があります。一般企業では、人事制度や賃金体系の運用を任う管理部門で働く方におすすめ。労務部門で給与計算や年金手続きを担う方は、年金アドバイザー3級を目標としましょう。
\LECなら基礎~合格までの実践力が身に付く/
ハラスメントアドバイザー
労務におすすめの民間資格6つ目は「ハラスメントアドバイザー」。全日本情報学習振興協会が主催し、ハラスメントに関する国の指針や法律を通じて、社内の相談窓口設置や防止体制を構築するための知識を養える資格です。
名称 | ハラスメントアドバイザー |
種類 | 民間資格 |
主催団体 | 一般財団法人 全日本情報学習振興協会 |
級・種 | なし |
主な受験者 | ・人事や労務部門の管理職および担当者 ・ハラスメント相談窓口の担当者 ・ハラスメント防止の知識を身につけたい方 |
労務部門で働く方にハラスメントアドバイザーを勧める理由は以下のとおり。
〇 ハラスメントの基礎的な知識を養える
〇 職場の管理体制構築に活かせる
〇 ハラスメント対策のマネジメント向上
職場におけるハラスメントは、労務管理上のリスクが顕在化した状態です。そのまま放置すると、経営に大きな支障を与える可能性があります。
ハラスメントによる経営への悪影響
✔ 企業のブランド力や信頼性の失墜
✔ 営業活動の停滞や人材採用の難航
✔ 企業を巻き込んだ訴訟に発展…etc.
ハラスメントアドバイザーを学習すれば、上記のようなハラスメントによる経営リスクを防止するための管理手法が身に付きます。労務や人事、総務などの管理部門で働く方は、ハラスメント対策のスキルを身に付ける上でも、ハラスメントアドバイザーの取得をおすすめします。
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マイナンバー実務検定
労務におすすめの民間資格7つ目は「マイナンバー実務検定」。全日本情報学習振興協会が主催し、マイナンバー制度の理解普及による個人情報の保護と適正な取扱いを目的とした資格です。
名称 | マイナンバー実務検定 |
種類 | 民間資格 |
主催団体 | 一般財団法人 全日本情報学習振興協会 |
級・種 | 1級・2級・3級 |
主な受験者 | ・企業の管理職 ・労務など、マイナンバーを取り扱う部署の担当者 ・マイナンバーに関する知識を身につけたい方 |
給与計算や社会保険手続きなど、日常業務でマイナンバーを使用する頻度が多い労務担当者。マイナンバー実務検定を取得することで、マイナンバーの適正な収集管理や使用、情報漏洩の防止につながります。
マイナンバー実務検定はレベルに応じ1級~3級が設けられています。
項目 | 1級 | 2級 | 3級 |
---|---|---|---|
対象者 | ・管理部門の責任者 | ・管理部門の担当者 | ・マイナンバー初学者 ・番号法の理解を深めたい方 |
求める レベル | マイナンバー法とガイドラインを 深く理解している | ビジネス上のマイナンバー 利用方法を理解している | 日常生活とマイナンバー法の 関わりを理解している |
受験資格はないので、どの級からでも受験可能。給与事務や法定調書作成の担当者は業務におけるマイナンバーの利用や管理の方法、漏洩防止について学べるマイナンバー実務検定2級がおすすめです。
\スマホで手軽に試験対策!SMART合格講座/
労働時間適正管理者検定
労務におすすめの民間資格8つ目は「労働時間適正管理者検定」です。人事総務スキルアップ検定協会が主催し、労働基準法を中心とした長時間労働の抑制や年休の取得促進、メンタルヘルス対策について学べる資格です。
名称 | 労働時間適正管理者検定 |
種類 | 民間資格 |
主催団体 | 一般社団法人 人事総務スキルアップ検定協会 |
級・種 | なし |
主な受験者 | ・企業の管理職 ・人事労務など、従業員の勤怠管理の担当者 ・労働時間適正管理の知識を身につけたい方 |
労務部門は、企業の労働時間管理においてリーダーシップを発揮すべき旗振り役。36協定に則った適正な労働時間を遵守できているか、全部署に渡って管理する役割を担っています。過重労働防止にあたり、管理職や従業員へ直接指導するケースもあるため、労務担当者にとって適正な労働時間管理は欠かせないスキルです。
具体的には以下の業務で役立ちます。
〇 社員の勤怠管理
〇 36協定による時間外労働の管理
〇 変形労働時間制の運用管理
〇 年次有給休暇の取得状況の管理
〇 振休や代休の取得状況の管理
なお労働時間適正管理者検定は、人事総務検定と同様、LECの特別認定講習を受講することで取得できる資格です。講習受講後に確認テストとレポート提出をこなすと、合格者には後日、修了証が郵送される仕組みとなっています。
<労働時間適正管理者検定の講習内容>
知識編:2.5時間
労働時間管理に必要な法律について学習
└労基法・安衛法・労災保険法…etc.
実務編:2.5時間
労働時間管理に関する政府ガイドラインや
法令、実務に即した行動規範を学習
※講習受講後、確認テストとレポート有り
労務部門への配置転換や異動など、早急に労働時間管理スキルを学びたい方にピッタリ!
労務だけでなく、管理職やリーダーなど、部下の労働時間を管理する立場の方にもおすすめです。講習受講で取得できる資格なので、業務で労働時間管理に携わる方はぜひ挑戦してみましょう。
\LECの特別認定講習受講で取得できる!/
労働法務士
労務におすすめの民間資格9つ目は「労働法務士」です。全日本情報学習振興協会が主催し、企業の人事・労務・法務部門で働く方を対象に、労働に関する様々な法律問題を解決できる専門職養成を目的とした資格です。
名称 | 労働法務士 |
種類 | 民間資格 |
主催団体 | 一般財団法人 全日本情報学習振興協会 |
級・種 | なし |
主な受験者 | ・企業の管理職 ・人事や労務など、労働法を扱う担当者 ・労働法に関する知識を身につけたい方 |
労働法の知識をバランス良く学習でき、労働契約の締結や労働組合の対応、安全衛生管理の知識も得られるため、労務や人事、総務などの管理部門で働く方におすすめです。
社労士と重複する科目が多く、社労士受験前の腕試しにもピッタリ!
管理部門で働く方や社労士受験を検討する方は、ぜひ挑戦してみましょう。
\いつでもスマホで学習可!SMART合格講座/
MOS
労務におすすめの民間資格10個目は、MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)。エクセルやワードなどのマイクロソフトオフィス製品の利用スキルを証明できる資格です。
名称 | MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト) |
種類 | 民間資格 |
主催団体 | (株)オデッセイ コミュニケーションズ |
級・種 | ・一般(スペシャリスト/アソシエイト) ・上級(エキスパート) |
主な受験者 | ・ビジネスの第一線で活躍する方 ・企業の事務職として働く方 ・就職活動する学生 |
労務にMOSをおすすめする理由は、仕事の生産性が高まること。契約書作成や給与計算など、業務の大半をエクセルやワードを用いた作業が占める労務部門では欠かせないスキルです。
実際に米国サーティポート社とユタ大学が、世界各地の企業で働く従業員を対象に生産性に与えるMOSの影響を調査した結果、取得者の大半において仕事の効率が上がることが示されています。
具体的には以下の場面で活かせます。
〇 Excelを活用した各種作業への対応
〇 Excelによるデータ作成の効率化
〇 ヒューマンエラーや見落としの防止
なおMOSの学習では、普段活用しないExcelの機能を学習します。Excelを用いた新たな作業に即時に対応できたり、手作業で処理していた業務にも関数を応用できるようにもなります。
業務の大幅な効率化を実現できます。
入力規則でデータの誤入力を防いだり、条件付き書式を活用して特定のセルだけ書式を自動で変更するなど、様々な場面での応用が可能。Excelによる事務処理能力を客観的に証明できる資格でもあるので、就職や転職活動でも役立つおすすめの資格です。
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まとめ
以上、労務のおすすめ資格16選を解説しました。
資格・検定は、仕事で活かせる強みがそれぞれ異なります。
受験する際は、現在の担当業務や自身のキャリア志向に合うものを選びましょう。なお今回紹介した資格の難易度や勉強時間について知りたい方は以下の記事をどうぞ。